平均時速28.3Km/h2010年08月25日 20時40分34秒

 曇り空の下、夕練に出かけた。昨日の反省から、赤信号の交差点でもぎりぎりまで速度を維持して速やかに停止し、青信号になったら速やかに発進することを心がけてみた。

 さてそんな中、今日もちょっとしたハプニングがあった。いつものように福井を通過して五天山公園にさしかかったあたりで前方に一台のローディを発見。あまり速度は出ていないようで、すぐに後ろについた。失礼ながら後ろから観察させていただいたところ、前に出ても大丈夫だろうと判断。声をかけながら前に出る。
 その後は、いつものように腹圧を意識しながらペダリング。若干向かい風で速度は伸び悩む。盤渓を抜けてそろそろ小林峠の上りにさしかかるあたりで、念のため後方を確認した。誰もいるはずがないと思い込んでいた。ところが驚いたことに、先ほど抜いたローディがしっかりと後ろについていたではないか。びっくりして、少しよろめいた。音が聞こえてこなかったので、すっかり安心しきっていた。
 さあ、困った。こうなると気を入れて上っていかなければならない。いつものように39×23Tにギアをシフトし、ケーデンスを高めにして速度を維持する作戦。速度は20Km/hを超えたり超えなかったり。最後は力をふりしぼってもう少し速度を上げてフィニッシュ。後ろをふり返る余裕はなし。
 峠を越えてすぐ右手にある駐車場の所で一旦停止し、Uターンの機会を狙っていると、後ろについていたローディ君が「ありがとうございます」と挨拶して抜いていった。顔の表情を見たら余裕があった。しっかり私が引いてあげた格好になった。後ろにつくのはそれほど楽だったのか。
 というか、後ろを引き離すほど力がなかった自分に若干気落ちした。

 数日前、MTBを抜いたときと言い、今回の件と言い、何か釈然としないものがある。どうして後ろにつかれてしまって、しっかりと突き放すことができなかったのか。一方、川沿側から上っていたときに一台のローディにさっと抜き去られたときはどうだったか。これらのことから一つの結論を得た。

 自転車レースの駆け引きがわかる方ならすぐにわかるのだろうけれど、何しろそんな経験はない。鈍いので今ごろ気がついた。MTBの場合も今回の場合も、いずれも私が後ろについたとき、一旦ブレーキをかけ減速した。そこからダンシングして速度を上げて抜き、前に出た。この動作がよくなかった。抜くのなら、もっと後方から速度を上げて抜くべきだった。今回のように相手のすぐ後ろから加速してもたかがしれている。相手もすぐに加速するので、私の後ろにつきドラフトできる。相手にアドバンテージを与えるだけだ。一方、こちらは必死に引くだけ。

 また抜くときのコースの状況も重要だ。比較的平坦なところでは相手もすぐに追随しやすい。ところが斜度があるところで抜くと、相手はすぐに反応しにくい。相手を突き放すには絶好のチャンスだ。私がローディに抜かれたときは、これで大敗を喫したわけだ。今ごろになって相手のしたたかさに脱帽する。

 ということで、今日の結果は平均速度28.3Km/h。大型トラックに引いてもらうとかそんなことは一切なし。むしろ平和霊園からの緩い下り坂では、前方の車がゆっくり進んだため、速度を抑えたくらいだ。昨日の平均速度が遅かったのは、やっぱり信号のタイミングに合わせて走ったのが原因だったのかな。

 小林峠の上り坂を上りながら、先月行われたツールドフランスの一場面を思い出した。SAXOBANKのアシストが峠の坂道でアンディ・シュレックを引いていくときの顔の表情だ。心臓が口から飛び出すのではないかと思うくらい、必死の形相で顔がゆがんでいた。それでも自分の本分を全うするために全力を尽くす。すごかった。