Aleph-X アンプ2009年01月25日 22時06分22秒

 パワーアンプを構想している。オリジナルを設計できるわけがないので、先人の知恵を拝借することになる。で、どれをモデルとするかいろいろ考えた。その前に、自分なりの基準を決めておかないとあれもこれもということになり発散してしまう。そこでまず、次のようなコンセプトで狙ってみることにした。

(1)BTL いわゆる差動出力アンプとする。
(2)音声信号が通過する抵抗が極力少ないものであること。
(3)シンプルであること。
(4)手持ち部品が活用できること。
(5)動作が安定していること。
(6)制作台数が多く、バグがつぶされていること。
(7)ありきたりでない回路であること。

 挙げればきりがないのでこの辺にしておく。

 ということで注目したのは、Pass LabのNelson Pass氏が関わっているAleph-Xというアンプ。Alephシリーズは出力段に独特なブートストラップをかけて、積極的に音作りをしている。今回は、ブートストラップははずして、骨格部分だけを借用してみてはと考えている。

 フロントエンドはIRF9610を用いた差動バランス入力。出力段はIRFP044を使う。上側を定電流負荷、下側をソース接地で使う。ブリッジ回路なのに、驚くほどシンプルだ。手持ちのYAM抵抗が使えるのもうれしい。

 シミュレーションではうまく動くことを確認した。diyAudioの掲示板によれば、定電流負荷のブリッジ接続では出力の対地電位が安定しないという現象があって最初苦労していたようだ。しかし、これも対策方法が各種提案され、解決されている。

 ところで、あまり聞き慣れない品種のFETが使われているので最初は戸惑った。雑誌の広告にはIRFタイプはほとんど載っていない。でも、世界にはいろいろな半導体があるのだと今回目が開かれた。どうして、日本ではもっと紹介されないのだろう。不思議に思うようになった。戦後長く秋葉原は電子少年のあこがれの地であり続けた。でも。もうそんな時代は終わったように思う。世界中の部品がネットで入手できる時代なのだ。それもかなりの安価で。アンプの心臓部品IRFP044が一個100円ちょっとと知って、少なからず驚いた。
 雑誌の制作記事で指定される半導体を血眼になって探すのも結構だが、もっと視野を広げていきたいものである。

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