回路シミュレータの威力2005年10月05日 20時11分21秒

 前から使いたかったのが回路シミュレータである。複雑な回路を動かすためにはそれなりの勉強が必要だが、LCフィルター程度であれば簡単にできそうだ。問題はフリーで入手できるシミュレータがあるかどうか。なにしろMacOSXを使っている。ネットで調べると、かなり限られてくるようだ。最終的にダウンロードしたのが、MI-SUGAR Ver.0.5.7である。詳細なマニュアルもついている。シミュレーションエンジンは、デファクトスタンダードとも言えるSPICEが使われている。
 最初、マウスでちょいと配線すればすぐに出来上がりと思ったが、そうは問屋が卸さなかった。GUIはかなり貧弱。結局手でネットリストを入力し、解析パラメーターを設定してやらなければならなかった。サンプルを見ながら数日苦戦したが、なんとか動くようになった。わかってしまうとそれほど難しくない。SPICE関連の参考書を買わなくてもなんとかなる。
 さて今回なぜシミュレータを使う必要があるのか。手持ちのコイルが一つだけある。0.5mHである。しかし計算上必要なのは0.67mHとなっている。最初はトリテックのものを買わなければと思った。しかし貧乏人には簡単に買えない値段である。2個で4000円近い。そこで手持ちのコイルでどこまで行けるのか検討したいのだ。
 シミュレーションすると次のようになった。
   ☆L1=0.67mH
     10KHz; -0.1dB 20KHz; -0.3dB
   ★L2=0.50mH
     10KHz; -0.3dB 20KHz; -0.9dB
さらに高い周波数になると減衰率はさすがに正規のベセル型が高くなる。100KHzあたりではそれなりの差が出る。しかし、意外にも0.5mHでもそこそこ行けそうな感触を得た。とりあえずこのまま行ってみよう。試聴結果がよければ、いつかトリテックに替えれば良い(お金があればだが)。
 
 ついでに今までどんな状態で使っていたのかも知りたくなった。前回書いたようにこれまでは30000PFをぶら下げただけの簡単なローパスフィルターを入れていた。どれだけの効果があったのだろうか。思い出してみると、なぜこの数値にしたのか確たる根拠はなかったと思う。手持ちのSEコンがあったからということだけだった。(昔はすごいお金持ちだった)
 シミュレーション結果に少なからず驚いた。
    ★C1=30000PFのみ
      10KHz; -0.6dB 20KHz; -1.7dB
 思ていたよりもかなり高域の減衰量が大きいのだ。当然音にも影響を与えていたはずである。これぞシミュレーションの威力である。早速LCフィルターを入れることにした。

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