6SN7ラインアンプ 電源回路変更2013年10月22日 22時43分57秒

新しい水晶発振器に入れ替えて、数日間エージングが仕上がるのを待った。ところがどうもいけない。音が堅い。当初はエージングでほぐれてくると期待したのだが、変化が見られない。これはどこかおかしい。

 水晶発振器が悪いはずはない。原因は別のところにある。考えた末に思い当たったのはラインアンプの電源。真空管を使った定電圧回路は私にとって初めての経験。発振は十分におさえられたと思っていたのだが。

 オシロで電源出力を見ると案の定、発振している。微小な電圧だがこれはいけない。対策を考えた。出力のCの値を変化させても効果は見られない。発振波形をじっと見ているとどうも普通の発振ではない。不安定に変化し、形もいびつである。もしかして真空管自体が発振しているのだろうか。

 双三極管の両方のグリッドに抵抗を入れた。机の中にしまってあったVAR2.7Kを投入。値としては1Kあたりが適当だと思うのだが、とにかく発振を止めることが優先だ。

 効果はてきめん。発振は止まった。ただし、ようく見ると微小なノイズが乗っている。グランドの波形と比べても、わずかであるが太い。どこからノイズが入るのか。。ひとつしかない。定電圧放電管である。本来なら定電圧放電管(85A2/0G3)と並列にコンデンサを入れてノイズを吸収させるのだろう。ここは宿題として残しておく。

 もう一つ宿題。今回誤差増幅管のグリッドにも抵抗を挿入したが、これは不要かもしれない。折りをみて確かめるつもり。

 さて音はどうなったか。堅い音はかなり緩和され、重心がだいぶ低くなった。おそらくこれが本来の実力。ただし、まだ少し堅さがあるのでエージングをして様子を見る。

 ネットで似たような例がないか検索してみると、やはりきちんとした配慮がされたものはグリッドに抵抗が挿入されている。こんなところからまじめに設計されたものかどうか窺い知る手がかりになる。Counterpointの回路を見てみると、きちんと対策がなされている。さすがだ。