QA550 アイソレーター+リクロックの効果2013年10月09日 19時58分07秒

 9月18日の記事で書いたシステム構成図。その後すぐに部品は集まったのだが、ラインアンプのデバッグに集中したこともあり、手つかずになっていた。やっと昨夜完成した。

 まず写真に写っているICの紹介から。上の二つはPO74G74A。4個のD-FFのうち3個は、LRCK, DATA, BCKのリクロックに使い、一つは使っていない。

 画面の下に移って左側がアイソレーターのIL261。4チャンネルの入力、1チャンネルの出力。QA550からのLRCK, DATA, BCKを受信し、マスタクロック(11.2896MHz)を出力する。もちろん、Vcc, GNDはQA550側と接続され、ES9018側とは完全に分離されている。DAC側領域の電源はDAC9018Dよりもらっている。本当は、ここもSalas Reflektorを使って独立給電すれば良いのかもしれない。それは将来の課題にしておこう。

 なお変換基板の上に水晶発振子が搭載されているが、なにも接続されてはおらず、使用していない。

 同じく画面下の右側が、クロック分配器(バッファ)であるPO74HST85353A。DEXAからのクロックを同軸で受けて、クロックを4回路に分配して出力する。2チャンネルは74へ。1チャンネルはQA550に出力。そして残りの1チャンネルはDAC9018DのMCKとして出力。

 ほぼ二日かけて作成。最後の最後に、クロック入力ピンを間違えてハンダ付けしてしまい、クロックが出力されなかったという凡ミスを犯したほかはノーミスだった。

 出てきた音はエージングなしでもすぐに変化がわかった。24時間通電後、もっと音は落ち着いてきて実力を発揮し始めた。ホールの残響音がきれいに分離して聞こえるようになり、キースのパリ•コンサートのアンコール2曲目(トラック3)をちょっと聞いただけでも、「このCDはこんな音だったのか」と驚くほど斬新に聞こえた。

 リクロック回路だけではこんな音は出なかった。ジッタ(位相ノイズ)を抑制するためには、アイソレーションがきわめて有効であることがこれで確認できたと思う。せっかくきれいなクロックを入力しても、QA550から発生するノイズがクロック品質をきわめて悪化させていると推測される。

 ジッタ悪化原因の機序がもしこの通りだとするなら、アイソレーションが完全であれば、QA550の改造は不要となり、SDカードによって音が変わることもあり得ないことになる。しかし本当にそうなのかどうか。それは今後検証が必要になろう。なにしろこの世界は意外なことに満ちているのだから「絶対」などという言葉は信用しない方が良い。

 これでSDカードプレーヤーの真の実力が見えるようになってきた。実を言うと、DDCのWaveIOに大きく差をつけて今まで聞いたこともないような音が出るのかと期待していたが、意外なほどWaveIO(リクロック回路搭載)と良く似ている気がする。

 SDカードプレーヤーはどうしてもライブラリの管理に手間がかかるところが難点である。その点、iTtunesは便利この上ない。この便利さを損なわずに、今の音を楽しめるのならそれに超したことはない。今回の得られた成果をDDCにも応用してみたくなってきた。

朝里峠2013年10月09日 20時45分03秒

 休日である月曜日(7日)、朝里峠に出かけた。迷ったのが服装。夏仕様にするか秋仕様にするか、微妙に迷う天候。快晴で気温も暑くもなく寒くもなく感じる。念のためアームウォーマーはポケットに忍ばせ、思い切って夏仕様で出かけることにした。

 秋が深まっていくと西風も強くなる。なので小樽方向に走るのは少し大変。順調に朝里温泉を通過し、朝里ダム記念館を過ぎたあたりで前方に二人のローディを発見。徐々に車間が詰まってきて、急坂が始まるあたりで追いつく。見ると30〜40代とお見受けしたご夫婦(あるいは単なる友人?)。挨拶を交わし、しばし並走。聞けば、これから定山渓におり、豊平峡に向かうとか。二人で紅葉を楽しみながらということらしい。向こうはこちらの服装に驚いたらしく「寒くないですか」と尋ねられた。私は苦笑い。
 ここでお別れして、お先することに。まさか後から追い越されることはないだろう。

 そんなこんなして登っていくうちにやはり後ろが気になる。振り向くと、別のローディが追いかけてきている。このままなら途中で追いつかれるかもと、焦り始めた。別に焦る必要もないのだが、小心者の私はドキドキしてしまうのだ。幸い後ろの方は姿が見えなくなり、後はマイペース。

 定山渓側はひどい向かい風だった。どんどん速度が落ちていく。おまけにこの季節は道路工事が頻発する。三カ所で片側通行。トンネルは寒かった。やっぱり秋仕様にすべきかと少し後悔した。

 と、順調に進んできたように見えたが、定山渓温泉が見えたあたりから体に異変を感じた。股関節付近に痛みを感じる。まだずれとかそういうのではなく、筋肉痛。いままでこんなことは一度もなかった。なぜ痛むのだろう。とにかくごまかしながら走るしかない。速度は上がらない。ショートカットして小林峠を抜けて帰宅した。

 前日の日曜日に、仕事道具を背負いながら仕事場から自宅まで歩いた。時間にして1時間20分。ここ何年もこんなに歩いたことはなかった。実に久しぶりである。学生時代はいつも歩いていた。何時間でも歩けた。それが車に乗るようになり、自転車に乗るようになったらほとんど歩かない。おそらくそれで筋肉痛になったのだろう。

 朝里峠は紅葉が始まり、標高の高いところではここ1〜2週間が見頃になるかと思われた。こうやって札幌にも間もなく冬がやってくる。月日の経つのが早く感じられる。これも齢のせいなのだろうか。

QA550 アイソレータ+リクロック回路2013年10月11日 21時27分05秒

 忘れないように回路図を残しておく。

 現在エージング中で3日目に入った。日々変化していくのがよくわかる。当初、WaveIO+リクロックと大きく変わらないという印象だったが、エージングが進むと徐々に底力を見せ始めてきている。まだ50%の仕上がりなので、評価はまだしないでおくことにする。

NZ2520SD クロックに変更2013年10月15日 22時44分59秒

 QA550の改造の続き。
 アイソレーターとリクロック回路により大きな改善を見ることができたのは良かったのだが、クロック回路だけは仮住まいのまま。クロックの質があまりよくなく、そこですべてが制限されてしまっている形だった。なんとももどかしい。すでにNZ2520SDをChip1Stopに発注をかけている。納期はこの月末とのこと。待つのが長く感じられる。

 そんなとき、某様から暖かい申し出があってこの発振器を譲っていただけるということになった。昨夕それが届いたので、早速入れ替えてみた。

 出てきた最初の音で変化はすぐにわかった。空間が広がり、透明度が格段に増した。とは言え、エージングが不足しているので、さすがにベストというわけにはいかない。音がやせていて、音量を上げても前に出てこない。どこかに癖がある。数日間様子を見る必要がある。

 なにしろ発振器は、時間軸を支配する要の中の要である。エージングの有無が全体の音を大きく変えてしまうことは当然である。ここは我慢のしどころ。

 発振器は変換基板のパッドを使ってうまくおさめることができた。それを、クロック分配器の変換基板の上に接着剤で固定した。写真の左下に見える電源ケーブルの先に見えるのが、ファインメット•ビーズ。これも某様からの頂き物。評価は、エージングが進むまで待つことにする。

6SN7ラインアンプ 電源回路変更2013年10月22日 22時43分57秒

新しい水晶発振器に入れ替えて、数日間エージングが仕上がるのを待った。ところがどうもいけない。音が堅い。当初はエージングでほぐれてくると期待したのだが、変化が見られない。これはどこかおかしい。

 水晶発振器が悪いはずはない。原因は別のところにある。考えた末に思い当たったのはラインアンプの電源。真空管を使った定電圧回路は私にとって初めての経験。発振は十分におさえられたと思っていたのだが。

 オシロで電源出力を見ると案の定、発振している。微小な電圧だがこれはいけない。対策を考えた。出力のCの値を変化させても効果は見られない。発振波形をじっと見ているとどうも普通の発振ではない。不安定に変化し、形もいびつである。もしかして真空管自体が発振しているのだろうか。

 双三極管の両方のグリッドに抵抗を入れた。机の中にしまってあったVAR2.7Kを投入。値としては1Kあたりが適当だと思うのだが、とにかく発振を止めることが優先だ。

 効果はてきめん。発振は止まった。ただし、ようく見ると微小なノイズが乗っている。グランドの波形と比べても、わずかであるが太い。どこからノイズが入るのか。。ひとつしかない。定電圧放電管である。本来なら定電圧放電管(85A2/0G3)と並列にコンデンサを入れてノイズを吸収させるのだろう。ここは宿題として残しておく。

 もう一つ宿題。今回誤差増幅管のグリッドにも抵抗を挿入したが、これは不要かもしれない。折りをみて確かめるつもり。

 さて音はどうなったか。堅い音はかなり緩和され、重心がだいぶ低くなった。おそらくこれが本来の実力。ただし、まだ少し堅さがあるのでエージングをして様子を見る。

 ネットで似たような例がないか検索してみると、やはりきちんとした配慮がされたものはグリッドに抵抗が挿入されている。こんなところからまじめに設計されたものかどうか窺い知る手がかりになる。Counterpointの回路を見てみると、きちんと対策がなされている。さすがだ。