電源トランスのエージング2012年02月28日 13時48分44秒

 DACの電源にトロイダルトランスを投入してから一週間が経過した。たいていの部品は、エージングに一週間程度かければ音がおおよそ落ち着いてくる。電源トランスも、その程度の時間で落ち着くものと予想していた。

 しかし、予想は見事に裏切られた。いまだに音が腰高のままだ。当初に比べれば次第に落ち着くほう方向に変化していることはわかるのだが、その変化が非常に遅くてもどかしい。

 思い返せば、ライン出力トランスのNP-126でも同じ経験をしていた。トランス類のエージングには恐ろしく時間がかかるという共通の性質があるのだろう。

 NP-126のときも、最初はまったく低いほうの音が出ず、これはトランスが悪いせいなのだろうかとすっかり意気消沈したものだ。そのNP-126が、今やすばらしい音を奏でてくれているのだから、世の中わからないものである。

 このトロイダルトランス、まともな音になるにはあと少なくともあと3週間はかかるだろうと覚悟を決めている。

センターチョーク方式について2012年02月28日 13時56分03秒

 過去のラジオ技術をめくっていたら、ある記事に目が留まった。センターチョーク方式である。1995年12月号では佐藤勝氏がこの方式について触れている。

 また1996年3月号では、新忠篤氏がウェスタンエレクトリック(WE)のアンプの解説をしている。初期のアンプにセンター・チョーク方式が採用されていたという。

 ところがWEについてはめっぽう詳しい新忠篤氏でも、なぜWEが初期の製品にセンター・チョーク方式を採用したのか、はっきりしたことがわからないと言う。氏の記事によれば、当時は大きな容量のコンデンサが手に入らなかった時代なので、平滑が主な目的ではないかと書かれておられた。

 しかし、今回自分でこの方式を試してみた結果、たんなる平滑用ということではなく、全く異なる思想によって設計されたものではないかと確信した。

 センター・チョーク方式はもっともっと普及してよい技術だと思うのだが、寡聞にしてほとんど採用された例を知らない。