トランス2次の終端抵抗(3)2007年10月10日 21時24分36秒

 終端抵抗を9Ωにしてみた。22Ωの時に比べて出力電圧は4dB減衰する。結果。最初はきれいになったように聞こえた。ところが、だんだん聞いているうちにいらいらしてくる。音像がはるか背景にとおのいてしまった。オーバーダンピングの典型的な特徴。低音は全く出ない。

 周波数特性を測定すると、かなり理想的なカーブを描いている。惜しいけれど、音が優先されるので、この値は没となる。うまくいかないものだ。

 22Ωに戻した。確かに躍動感はすばらしい。しかし、あり得ない音がどうしても出てくる。ピアノのアタック音では、耳に刺さる場合もある。終端抵抗で調整するのはもう限界だ。

 次の手は位相補正だろうと考え始めている。

330pF追加 そしてその結果2007年10月15日 09時08分50秒

 I/Vコンバータに二つの変更を加えた。

 一つめ。初段差動増幅部の二つのFET、そのドレイン(D)間に330pFを接続した。位相補正というのではなく、純粋に高域減衰回路として働く。

 この値は、シミュレーションで探し出したもの。位相回転が少なく、なおかつ100KHz以上の減衰が高いものを目標にした。実測では、100KHzで-1.1dB (位相は-0.2rad), 1MHzで-31dB減衰した。
 位相回転は、ほとんどがトランスによるものである。

 二つめの変更。トランス二次側の終端抵抗を300Ωとした。この値を少なくすると、確かに高域の減衰効果が得られるが、出力も減衰してしまう。オーバーダンピングによって躍動感が失われることがわかってきた。ここはきちんと理論通りの値にすべきである。小手先で問題を解決しようとすると、やはり手痛いしっぺ返しを食ってしまう。

 その結果。
 期待通りの音になった。躍動感が戻ってきた。最初はエージング不足で高い方の音のざらつきが気になったが、数時間経過したら大分落ち着いてきた。心配していた高調波ノイズは聞こえない。あり得ない音は聞こえなくなった。もちろんこれで完璧とは思わないけれど、理想の方向に近づいていることは認められる。

 いらない音が出ずに、出るべき音だけが出る。この状態がいかに大切なことか、改めて知らされる。音の実在感が増す。細部の輝きが聞き取れるようになる。平板な音が録音されていたのではない。演奏者がこんなところまで心を込めながら演奏していたのか。それがよく聞き取れるようになるので、感動があふれてくる。

 たった2個のコンデンサによって、ここまで音が激変するのかと思い知った。そして、これまでこのシステムの実力を十分に出し切っていなかったのだと謙遜にさせられる。

 それにしても、音楽家というのはスポーツで言えば真の「アスリート」なのだとつくずく感じる。

今日は手稲山挑戦2007年10月15日 20時49分47秒

 午後から用事があることと、朝方まで雨模様であったため、朝里峠はあきらめて、そのかわり久しぶりに手稲山に挑戦することにした。

 10時に出発。天気は快晴に向かっている。風も微風。国道交差点のスタート地点まで順調。10時45分にスタート。途中、道路工事の車両の出入りなどで泥汚れはあったが、車も少なく走りやすい路面。ダンシングはスタート地点の200メートルのみで、後はひたすらシッティングでがんばった。リアのギアは、95%の区間をアウターでとおした。今回はケイデンス重視をねらってみた。

 結果。36分。前回とタイムは変わらず。たぶん、上り坂の脚力はこれくらいが限界なのかもしれない。脚力をさほど要さない平坦な道路でタイムをがんばりなさいということか。

 帰り道は、慣れたものと快調に飛ばしていたらなんとパンクに遭遇。道路工事区間で路面があれていて、先のとがった小さな石がすき刺さっていた。これには困った。自宅まで順調にいっても25分はかかる地点。歩くわけにも行かず、空気の抜けたタイヤをごそごそ言わせながら、ゆっくりと漕ぎながら帰ってきた。

 パンクしようがとにかく前に進む。これがプロ根性と言うことか。今年のツールドフランスを見ていたら、下り坂で転倒し、そのまま崖下まで転げ落ちた選手が、はいずり登ってきて、そのまま自転車にまたがってまた走り始めた場面があった。驚いた。そしてプロとはこういうものなのかと襟を正された。パンクくらいで走れないと思っているうちは、まだまだなのかもしれない。

メインシステムに330pF追加2007年10月15日 21時04分08秒

 昨日のサブシステムの結果に励まされて、早速メインシステムにも導入することにした。これもシミュレーションの結果を参考にしながら定数を決定した。以下の通り。

高域減衰用C: 330pF
トランス二次終端R: 100Ω

 Cは、初段差動増幅真空管の二つのプレート間に入れた。ちょうどここは位相補正用のCRがあったところなので、実装は簡単にできた。

 結果。エージングなしなので最初は低音が薄くてだめかなとと思ったが、時間とともに徐々に本領を発揮。全く余分な音が出ない。そして出るべき音が出ている。美しい。
 聖トーマス教会で収録されたバッハのモテットを聴くと、空間の広さが手に取るようにわかる。合唱が混濁せずに一人一人の声として聞こえてくるのがうれしい。

 ただしよい面ばかりではない。マルチ録音もので弦楽器などをオンマイクで収録したものは、どうしても艶やかさが失われて、のこぎりをひいているようにも聞こえる。
 これが空間を重視したオフマイクの録音になるとすばらしく変貌する。録音の善し悪しが即座に暴露されてしまうところが難しい。

 とにかく、大きな成果が得られたことはうれしい。

メインシステム変貌2007年10月16日 22時42分42秒

 24時間のエージングで音が変化することはこれまで何度も経験してきた。しかし、今回これほどまで変化するとは予想していなかった。昨日とは全く異なる音になった。もちろん理想方向にである。

 昨日は、高音が突き刺さるところが目立ち、この点が課題だった。今日は、この点がかなり緩和され、細部の見通しが非常に良くなった。驚くべき事は、低音域の充実である。重心が三段階ほど低くなって、もうこれは現実の音そのものに近いという印象。

 全体に音のバランスが非常に良く、もう高い音がどうのとか低い音がどうのという評価は何の意味もなくなった。CDにこれほどの情報が刻み込まれていたのかとただただ驚く。

 オーケストラの前後位置さえはっきりと認識できる。ドン・ジョバンニでは、歌手の立ち位置がはっきりとわかり、舞台の奥行きまでもが手に取るようだ。
 ロストポービッチの無伴奏チェロ組曲第5番はすさまじい。体が凍り付く。襟を正し、正座して聞かなければならない。

 欠点がないわけではない。特にソプラノのソロを聴くとわかるのだが、高いところに聞こえてはならないあり得ない音がする。折り返しノイズのためなのか、それともエージング不足のためなのか。しばらく様子を見たい。

 とにかく、今日は次から次へとCDをかけまくることになった。どれを聞いても新たな感動が襲ってくる。これこそオーディオの醍醐味だろう。