改造(2)2005年11月28日 11時35分39秒

 オシロでDACの−15Vレギュレータへの入力波形を見てみると約40mVp-pのリップルがある。+15V側は約20mVp-pだから、やや多い。消費電流が違うから当然だ。問題はこれを適正値とするのか、それとも多いとするのかの判断だ。電気的な動作としては問題ないと言えるだろう。しかし音に対する影響を問われれば、わからない。別府式DACでは39,000μFのコンデンサを用いているが、我がDACは、現状で22,000μF+4,700μFである。やはり気になる。
 ちょうど手元に日ケミのねじ端子型39,000μFのコンデンサがある。2年前に中古で手に入れたものだ。おそらく相当くたびれたやつだろう。でも、だめ元でこれを入れてみたらどうなるのか、興味がわいて来た。早速、DACの中に組み込んだ。もう空きスペースが少なくなったので、こんなコンデンサをきちんと収納することは出来ない。ふたがしまらなくなった。しかし、別に不便は感じないので、このままとする。リップルは約10mVp-pになった。
 今エージングをしているので、その後で結果を報告しよう。

改造前の音2005年11月28日 12時02分06秒

 ところで、39,000μFコンデンサを追加する前の音はどうなっていたのか、そのことに少し触れておく。
 ビル・エバンスを聴いた。以前アナログレコードで同じ曲を聴いた時とはだいぶ印象が違う。アナログレコードでは、ビル・エバンスに対して繊細な印象を持っていた。しかし、CDで聴いてみると骨太な雰囲気がするのだ。もちろん、アナログ音源をデジタル化したことによって音も変わったのかもしれないが。余談だが、このCDの音には首を傾げるところがある。ピアノの音がにじんで聞こえるのが耐えられない。どうもマスターテープが劣化しているようなのだ。その点では、アナログレコードに軍配が上がる。
 キース・ジャレットを聴くと、うっとりすると言うか、いつまでも聴き続けていたいと思うほど、引きつけられていく。デジタルレコーディングの良いところが余すところなく発揮される。音の細部にわたって明確な演奏者の思いが伝わってくる。
 ショルティ指揮、ヘンデルの「メサイア」を聴いた。それまでは弱々しい音しか入っていない、どちらかと言えばきらいなCDだった。録音レベルが低いのも原因だろう。しかし、今回もう一度聴いてみると印象ががらりと変わった。ヴァイオリンの音の繊細さと滑らかさ、そして空気にとけ込んでいく様の描写がすばらしい。大好きなCDになった。カナワのソプラノもうっとりする。
 ということで、これ以上改造する必要を感じさせない完成度に仕上がっていた。

エージング中2005年11月28日 20時46分04秒

 先ほど、エージングが待ちきれなくて、音を出してみた。なかなか良いと思ったが、時間が経つにつれて、高音域に鋭いピークがあることに気がつく。キースのピアノを聴くと、もうだめだ。耳が痛くなる。
 ということで、あえなく中止。おとなしくエージングを待つことにする。ヴァイオリンを聴く限り、素性の良さを感じさせた。ヴァイオリンの楽器の上に空間が広がった印象だ。やはり、−15V電源の質は、もろに音質に影響する。別府氏の言う通りである。究極はチョークインプット電源ということだろうか。