300Bシングルエンド アンプ 結果は2022年01月24日 19時31分01秒

まずは300Bのフィラメントを定電流点火した効果から。
VP-7723Aで残留雑音を測定する。8Ω単純負荷時。
L-ch : 0.42mVrms
R-ch : 0.26mVrms

交流点火の時はおよそ4mVrmsはあったから劇的な改善で、ハム音に悩まされたことが遠い過去のように感じる。
L-chがR-chに比べて大きいのは整流管のばらつきによるものと推定する。

実を言うと、通電当初L-chから不定期にバシッという放電しているようなノイズが出て肝を冷やした。よく見ると、どうも整流管からのようで、ノイズもかなり大きい。そのまま通電して数日したらノイズも小さくなり、放電現象もなくなった。もともとPSVANE 274Bはそのような造りなのだろう。

電源部が完成してからおよそ1週間、エージングを重ね、音もだいぶ落ち着いてきた。さすが出力段が真空管であることの意義は大きく、前にせり出すような力強い音でありながら、なおかつ音楽性に富んでいて、聴いていて心が躍り出す。
世の人々が300Bアンプを称揚する気持ちはよく理解できる。

整列した300Bシングルエンドアンプ。ST管が横並びに4本並ぶとなかなか壮観である。

後日談
そこで終われば人はおおくのことを悩むことなく、幸せに過ごせただろう。どうしても先に作ったGaNシングルエンド・アンプと比較したくなる。聴いてみて頭を抱えた。
GaNシングルエンドアンプがすばらしくよいのである。音に質量があり、前にせり出していながら、非常に落ち着いていて包み込むような優しさに富んでいる。もちろん人の心を揺さぶる音楽が聴こえる。

それに比べて300Bシングルエンドアンプは、決して悪いアンプではないのだが、雑味が混じり、がさがさしていて洗練されていない印象がある。
この違いはどこから生じるのか考えてみたが、整流管がまだエージングが十分ではないのかもしれない。

ここで次なる課題が浮かび上がる。
おそらく300Bアンプの実力を発揮させるにはWE274Bが必要なのだろう。しかしそのことを享受できるのは、懐に余裕のあるごく限られた人々であって、なにか釈然としない。世界は貧富によらず血筋によらず、だれにでも機会が公平に与えられることを目指してきたのではないか.

そこで、すでにGaNダイオードがすばらしい結果を出しているのだから、これを300Bアンプに応用できないかということになる。そこで検討しなければならないのは耐圧である。

GaN素子は最大で650Vに規定されている。300Bアンプの電源トランスの電圧は約480V。要求される耐圧はこれの3倍だから、1500V程度となる。全く足りない。
唯一の解決策は直列接続することだが、果たしてそれでうまくいくのかは実験してみないとわからない。
このテーマについては、また進展があったら取り上げることにする。

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