GaNラインアンプ2023年01月11日 21時29分31秒

クロック発振器とDACがよくなっているはずなのに、それに比例した効果が音に現れているかと問われると、なにかもどかしさを感じる。どこかにボトルネックがあるのではないか。どうもそんな感じがしてきた。いったいどこだろうか?

そんなことを考えていると、ふとラインアンプをGaN素子で作れないだろうかと思いついた。その回路がこちら。
まだ実測はしていないが、シミュレーションによればゲインは40dBもある。300Bシングルパワーアンプと組み合わせると、いかにもゲイン過剰である。たった一個(バランス駆動なので実際は2個であるが)の素子でこれだけのゲインを稼ぎ出すのだから驚いてしまう。

そして出てくる音はといえば、これまで使ってきた13D2ラインアンプと引けを取らない。真空管でなければ出せない音があると思っていたが、GaN素子はもっと素晴らしい可能性があるのではないか。
こうなるとパワーアンプをGaN素子だけで作って300Bシングルアンプと比較したくなる。なにしろゲインはあまりあるほどある。パワーアンプのゲインは0dBでもかまわないので、俄然作りやすくなる。そのことについてはまた稿を改めて報告することになるだろう。

その前にGaNラインアンプの内部の様子など。
GaN素子(GS0650041L)を片チャンネルあたり3個を使う。
DACでもやったように、これを10m厚アルミ板にネジ止めをして、ソルボセインで筐体から浮かす。筐体の剛性が音に確実に影響する。手を抜いてはならない。
出力トランスはタムラのTF-3。これまで何度も実験的に使ってきたけれど、正直を言うとピンとこなかった。ところが今回は本来の実力を存分に発揮してくれた。なお、TF-3には120mAを流しているが、カタログを見る限り電流許容量などは書かれていない。使用は自己責任となる。
電源トランスの手前に整流ダイオードとして使ったGaN素子が配置されている。
別方向から。
音について詳しいことは、新しく作ったGaNパワーアンプのところで報告するが、13D2ラインアンプと300Bシングルアンプは引退と決まったと書けば、おおよそ察しがつくだろう。

なお、増幅回路の抵抗はすべてVARを、定電流回路の電流設定抵抗20ΩにはYAM抵抗をそれぞれ用いた。電源回路は、半波整流である。理想的にはチョークコイルも使いたかったが、それは今後の予定としよう。

コメント

_ Bumpei ― 2023年01月13日 22時32分23秒

GaN HEMTづくしとはお見事!信号経路にはコンデンサが皆無。パワーアンプの投稿が待ち遠しいです。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://john.asablo.jp/blog/2023/01/11/9554597/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。