小林峠経由の市内一周2021年12月06日 19時12分55秒

先週の木曜日の朝、起きてみると一面に雪が積もっている。すっかり葉を落とした山の木々の枝もたわわに綿帽子をたたえて美しい。妻はしきりに『根雪になる?」と気になる様子だったが、予報によれば、このあと気温が上がるようなので、いったんは解けるだろうと答えた。

予想通り、土曜日にはすっかり雪がなくなり、右足のアキレス腱の痛みもだいぶ引いてきたので、徒歩で仕事場に向かった。
歩くのは一ヶ月ぶりなので少し心配したが、すぐにスロージョギングに移行。スピードは出なくても、前に進む感触が楽しい。ところが5Kmほど行ったあたりで再び痛みが強くなってきたので無視は禁物、そこから歩いて職場に到着した。

さて月曜日の本日。天候はよく、気温も高め。もしかして今日がラストランになるかもしれないと思いながら、市内一周コースへ。この時期、午後になると急に光が弱まり、天候も不安定になるので、午前中に出発。

盤渓のあたりから一部路面が濡れてはいたけれど、峠まではさしたる支障はない。峠を川沿方面に降りて最初にさしかかる右急カーブのところで完全な圧雪路面が出現。表面がうっすらとシャーベット状になっていたので、そのまま乗車して最徐行しながら通過。一周だけ左足を雪の上についたため、クリートがはまらず難儀。

国道に出てからは順調で、若干追い風貴重だったせいか、速度が伸びて気持ちがよい。土曜日に走っていたために、息が上がらずにがんばれた。

自宅に戻り、丁寧に泥を洗い落として車庫にしまう。今シーズン、もう一度出番があればよいと思うのだが。

VP-7723A 修理完了2021年12月08日 19時24分17秒

発注していた水晶発振子が届いた。
上がもともと使われていたもの。下が今回入手したもの。表面にある数字は従来品が16.000MHzとあるのに対し、新しいものは16.000000MHzとあるので、発振周波数誤差は±1Hz未満となり、まことにすばらしい。これがたった160円とは驚いた。
基板に半田付けした様子。電源を入れると最初はうまく発振しなかったが、数分後に何かの拍子に16MHzで発振し始め、それ以来安定している。おそらく発振回路が最適化されていないのかもしれない。本当はもっと追求すべきなのだろうが、今回はそのままとする
電源を入れて、内蔵OSCの発振波を測定してみるとそれなりの数値が表示される。ただ、校正はしていないので、そのことをわきまえながら使うことになる。なおマニュアルによれば、入力レベル3.16V, 発振周波数1KHzでは歪率0.001%以下の実力があるようだが、ご覧のとおり実力値はそれよりも少々悪い。電源周りの電解コンデンサが劣化しているせいなのかもしれない。
いずれにせよ、これで再び測定ができるようになったので、ひとまず肩の荷が下りた。

300Bシングルアンプ 測定篇2021年12月08日 20時03分17秒

2021年11月1日に載せた回路図でどのような性能になったか。VP-7723Aが復活したので、早速測定してみた。
まずは歪率特性から。
歪率特性は、各周波数の差が少なく、変化も癖がなく素直で好ましい。実はこれを見るまで、今回の設計がうまくいったかどうか確信をもてないでいたのだが、これで一安心した。
残留雑音については、AC点火でハムバランサなしという厳しい条件のなかでよく健闘していると思う。

続いて周波数特性。
10~20Hz付近に盛り上がりが見られるのは、終段のパラフィード(クラーフ結合)のCとLによるもので、予想の範囲。
むしろ注目すべきのは、低域の-3dBポイントが5Hz付近にあること。出力トランス(ST-171A-M)の仕様では20Hzとあるから、よい方向に拡大している。おそらく終段のP-G帰還によって内部抵抗が低くなったためだろう。

気になるのは高域で、-3dBポイントが16KHzである。出力トランスの仕様では20KHz付近となっているので、高域の減衰が若干早い。音を聴く限り、ナローにはまったく感じられないので、これはこれでよしとする。300Bのグリッド抵抗(200KΩ)が影響しているかもしれない。

KT88pp UL 改訂版2021年12月08日 21時57分05秒

この夏から秋にかけて、300B SE、WE420Aを初段に使ったGaN SE、そしてKT88ppアンプと立て続けに製作した。途中、VP-7723Aが故障してしまったので計測が頓挫し、発表できずにいた。

最近、自分の頭のメモリが揮発性に移行しつつあるので、早めに公開しておかないと自分が何をしていたのか忘れてしまいかねない。大急ぎなのできれいに整理できてはいないが、とにかく掲載だけはしておく。

前回製作したKT88ppは、終段UL接続および出力トランスの2次側を使ったカソード帰還を特色とした。ただ矩形波を見ると、少し癖が感じられ、その点が心残りとなっていた。
そこで今回、GaNシングルアンプで得たノウハウをもとに設計しなおしてみた。
まずは回路図。
特徴は、初段をカスコード接続、定電流負荷として高インピーダンスで終段に送り出していること。単段なのにこれだけで必要なゲインを得ることができる。

回路図のコメントにも書いてあるとおり、センターチョークありの場合と取り外した場合でどのような違いが出るのかをあとで確認する。

できあがった概観。
そして10KHz,負荷8Ωでの矩形波。非常に素直な形で、高域が早く減衰すると言われるDynacoトランスなのに、高域の-3dBポイントが高いことが見て取れる。

センターチョークがない場合の歪率。当然のことだが最大出力が伸びて、歪率2%でも47Wに及ぶ。ゲインは29dBである。
converterとあるのは、不平衡→平衡コンバーターの換算した残留歪率を示す。小出力時の歪率はコンバーターの影響を受けて大きく見えているが、実際はもっと良好である。

各周波数の歪率は非常にそろっていて、設計に破綻がないことを示す。作った本人が一番、このようにきれいな歪率となったことを驚いている。

PICプログラミング四苦八苦2021年12月28日 17時52分22秒

KT88ppや300Bシングルアンプはひととおりかたちになった一方で、GaNシングルエンドアンプは何度か手直しが続き、落ち着くまで時間がかかった。なので記事にするのが遅れた。
そろそろ完成が見えてきたので、記事にまとめてみよう。

と言いながら、表題がPICとはこれいかに。

初期のGaNアンプは電源を入れル時も、落とすときも、ほとんどショック音はきこえなかった。しかし改修を加えるうちに、電源スイッチのON/OFFにともなって少々大きなショック音が出るようになった。そこでPICを使ってノイズが出ないよう、シークエンス処理をおこなうことにした。

そのPICであるが、最後に手を触れたのが調べてみると7年前で、それ以来一度も手にしていない。ほとんど忘れてしまった。まず開発環境をそろえるところから始まる。幸いPICkit3はまだ動きそうだ。書き込み治具だけは今回あつらえた。
次にMPLAB X IDEをダウンロード。使い方をほとんど忘れていたのと、MPLABの動作が不安定なところもあったために、動作を理解するまで4〜5日かかった。


今回ターゲットにしたPICは、12F629。こんな小さな身体に入出力ピンが6個もあり、おまけにコンパレータまで内蔵している。ありがたい時代である。

目標仕様
1) +B 100Vが起動したらフラグを立てる
2) WE420Aが安定するまで60秒間待機する
3) その後、アンプ部の鍵を解除して動作状態にする
4) +B 100Vがダウンしたらフラグを立てる
5) その後、アンプ部の鍵を閉めてアイドリング状態にする
6) 動作状況が目視確認できるように、状態に合わせて赤色と緑色のLEDを点灯、消灯、点滅をさせる


これらの仕様を実現するためにC言語でプログラムを書き始める。 最初につまずいたのが、ヘッダーとConfig。はて?なんだっけ。まずは、サンプルプログラムやデータシートを眺めて思い出す。これに数日かかる。

次にプログラムをさらさら書いてできあがり。。とは行かなかった。おそらく慣れた人なら1時間もあればデバッグ終了だろう。が、今回は1週間かかったorz  30年前はガンガンFORTRANを書いていたのに、だいぶさび付いてしまった。

デバッグはシミュレータでもある程度できるが、状態遷移を見るのなら実機上でおこなうのが一番わかりやすい。
実機とPICkit3を何度も往復しながら完成度を上げていく。思った通りに動いた時はうれしいものだ。

しかし物事にはトラブルはつきもの。今回もっとも手こずったのはコンパレータの出力のヒステリシス特性のために不安定になる瞬間があって、そのため思いがけない誤動作が起きること。このことはデータシートにちゃんと書いてある。

コンパレータは+B 100V電圧の監視のために使う。電圧の上昇、下降は比較的ゆっくりなので、ヒステリシス特性は無視できるだろうと当初は踏んでいた。ところが実機で確認すると頻繁に発生して、とても使い物にならない。

ネット上にスレッショルド電圧を複数設けてトラブルを逃れるテクニックも公開されている。また少し上のレベルのPICには、最初からヒステリシス対策が施されているものもある。

いろいろ試行錯誤した結果、結局コンパレータ割り込みフラグが立った直後にレジスタ CMIE を閉じて、割り込みフラグがヒステリシス特性で動かないように、10m秒の間delayを入れて不感状態にしたらあっけなく正常に動くようになった。
なお、10m秒の不感状態があっても、アンプ自体の動作はゆっくりなので問題はない。

PICが完成したので、次にアンプの改訂にとりかかる。