GaN 単段アンプ その14(調整篇)2021年06月03日 19時49分57秒

その後、じっくりと聴いているうちにごくわずかであるが人の声に微妙な付帯音がつきまとうことに気がついた。なにしろ素人が始めて巻いたコイルである。巻きのテンションが弱くて振動するのだろう。

それを確かめるために、手元にあったTritecの2.2mHコイルに入れ替えてみた。エポキシ樹脂でかためてあるので振動はしないはず。インダクタンスが小さすぎて低音が出ないことは承知の上である。案の定、付帯音はしない。

と、そこまではよかったのだが、ずぼらをして電流調整をしなかったせいで、GaN素子を壊してしまった。放熱器に触れられるほどの温度なのでなんとかなると思ったのだが、24時間通電中にスピーカーから異音が出てきて異常を察知した。

部品箱にある手持ちのGaNからなんとか使えそうなものを掘り出して、ぎりぎり確保。UpperのGaN(GS61004B)を片チャンネル分一個と、LowerのGaN(GS66502B)を左右一個を入れ替えた。


それからもうひとつ。
この故障のさなか、KT88ppアンプを二階からもってきて音を聴いてみた。こうしてときどきほかのアンプと比べてみると、足りないところがみえてくる。高音のエネルギーが薄くて訴える力に若干欠ける。この原因は出力の電解コンデンサにあると推測して、DynamiCapフィルムコンデンサを並列に接続することにした。赤色がよく目立つ。
回路図はこうなった。
ただいまエージング中で、落ち着いて様子がわかってきたら報告する。

こうして手元にあるGaNで、生きているのはGS61004Bの一個のみとなった。これでは心許ないので、補充しようと思いMouserを覗いてみれば、PDFNパッケージは在庫があるのだが、これまで使っていたGaNPXパッケージは在庫がなくて、GS61004Bに至っては来年2月の入荷予定とある。こうなると、価格も安いPDFNパッケージに乗り換えるべきかもしれない。そのためには変換基板の作り直しが必要だし、クリーム半田を使っての実装技術を会得しなければ。