試作12号 その7(水晶発振子 4個シリーズ接続)その後2020年12月13日 19時23分20秒

試作12号機が完成したのは猫が逝ったときだから、あれから4週間経過したことになる。24時間通電しているので、エージングはおおよそ700時間近くなり、ふつうなら熟成完了である。

ところが水晶発振器は、このパターンが当てはまらない。数ヶ月から半年ほどかかるだろうと予想している。エージングによる変化の仕方も独特である。

おかしいと気づいたのはエージング開始から2週間ほど経過したとき。人の声がおかしい。亡霊のような影の声が常につきまとう。とにかく聴いていて気持ちが悪い。

最初は、どこかが故障していると考えた。電源が発振しているのだろうか。しかしオシロスコープで確認しても異常なし。

次に疑ったのが、水晶発振子の偏差である。Laptechの水晶は10個まとめて買った。まさか4個シリーズ接続するとは思ってもいなかったので、いま使っているのは無作為に選んだものである。
Laptechのすばらしいのは、水晶発振子の1個ごとに測定値が添付されていることである。備忘録として使っている水晶発振子の値を記録しておく。

シリーズ番号 共振周波数偏差(ppm)
A015    -0.4
A018    +1.2
A021    -0.4
A037    +0.6

最小と最大の差は1.6ppm。手持ちのものを調べてみると、0.2ppm以内に収められることがわかった。いざとなったらそうする手もある。

とにかく原因がつかめないままもやもやしながらじっと我慢する。
するとそれから1週間ほどしたある日、影の声はほとんどなくなり、代わって音圧が上がり、内容がびっしりと充実した雰囲気に変貌した。ところが、これはいけると喜んだのもつかの間、明くる日、再びどん底に突き落とされた。影の声が再び現れ、どんなにフェーダーのノブを上げても音が引っ込んで全く楽しくない。完全にダメである。

そうやって1週間経過し、今日に至る。おそらくこれからもこの繰り返しがしばらく続き、それでもよい状態の時間が少しずつ長くなっていくのだろう。

水晶発振子はまるで生き物である。

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