ラインアンプ エージングの途上2016年08月30日 19時33分41秒

 整流ダイオードをすべてInfineonに入れ替えたラインアンプは、ただいまエージングの途上である。当初はあまりにももったいないので24時間通電には消極的であったが、一日数時間のペースでは、理想とする700時間到達まであまりにも時間がかかりすぎる。

 そこで真空管倉庫(というのは真っ赤な嘘で、実際は小さな箱)にSYLVANIAの中古6SN7GTが眠っていることを思い出し、13D2を一旦外してこれに入れ替え、24時間通電に踏み切った。今日で通算350時間程度経過したことになる。

 ここ数年、毎日なにかかにかでエージングという日々が続き、落ち着いたことがない。おかげでエージング中にどんな変化があるか、もう頭に焼き付いてしまった。どこをどう変えても、エージングの変化がほとんど共通するところがおもしろい。

 交換当初は可もなく不可もなく、それほど悪い音はしない。高い音も低い音も伸びきらないせいなのか、意外にまとまって聞こえる。
 それが24時間経過すると、低音がすっぱりと切り取られラジカセの音に激変する。ここから忍の一字である。特に管楽器はいけない。耳が壊れそうになる。

 エージングの不思議なところは、時間と比例して改善されるわけではないこと。まるで螺旋階段を登るように、昨日は良くても今日は全くダメということがよく起こる。だから一喜一憂は禁物である。

 現在の音は、ひところに比べれば少しずつ中低音域が充実してきたかに思うが、まだまだ。ピアノを聴くと妙な響きがまとわりつく。ただ少しずつ音圧が高くなってきており、そのことはフェーダーの位置ですぐにわかる。

 雑誌で真空管アンプの製作記事で、整流管とSiCダイオードの比較が載っていたりする。見ると、ダイオードに交換したら「音が硬かった」とか、「高音に偏った」というような印象を記していたりする。

 もちろん一概に断定はできないが、なかにはエージング不足のままに評価してしまったケースもあるのではないか。もしそうであれば少し残念である。