Single End Amp with GaN Transistor2022年03月23日 22時01分31秒

GaN SE アンプと300Bアンプを交互に聞き比べていくと、それぞれの長所と短所が浮かび上がる。GaN SE アンプは非常に滑らかでいながら力があり、理想に近いと感ずるが、300Bアンプは荒削りで粗野でありながらも、心にしみわたる。GaN SEアンプでもこの音が出したい。それが次の目標となる。

そこでいろいろスクラップ・アンド・ビルドを繰り返した結果、次のような回路に落ち着いた。回路を見ておわかりのとおり、無帰還である。

ラインアンプからはバランスで信号が送られてくるので、入力は必然的に差動増幅となる。それをカレントミラー合成して、カソードフォロワーで受ける。終段はGaN素子によるソースフォロワである。
気がつくと、回路構成はどこかのOPアンプの等価回路とそっくりで、結局なにをしても先人の知恵を超えることはできないということか。

これまでドレインフォロワーにこだわってきたのだが、どうしても狙い通りの音が出ず、定石に則ってソースフォロワーとした。
いつものようにブレッドボート(まな板)の上に組み立てた。まだ試作段階なので、終段部の+18Vは菊水の直流安定化電源を使う。
右には、苦労してまき直した空芯コイルが見える。40mHではいささかインダクタンス不足なのだが、音を聞く限り問題を感じない。

歪率を測定した結果は以下のとおり。
最低歪率が0.1%を切り、残留雑音も0.25mVとなった。一般に1KHzよりも10KHzの歪率が悪くなるのが通例だが、10KHzのほうが低いという結果になり、非常におもしろい。100Hzの歪率が悪いのは、終段にある空芯コイルのインダクタンスが小さすぎるためであろう。
ちなみに周波数特性(-3dB)は、14Hz〜100KHz以上。仕上がりゲインは26.3dBとなった。
真空管は、いわゆるサブミニチュア管と呼ばれるもので、ソケットがいらないので試作には使いやすい。

試作アンプを左チャンネルに、300Bアンプを右チャンネルにつかうという変則的な方法で試聴してみると、ほとんど違和感なく聞ける。電源をしっかりと作り直せば、もっとよくなるはずなので、暗中に光を見いだしたかもしれない。

電源トランスを発注して、左右チャンネルを作り直す予定。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://john.asablo.jp/blog/2022/03/23/9475137/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。