GaN 単段アンプ その13(測定篇)2021年05月03日 19時29分43秒

復帰したVP-7723Aで諸特性を測定した。
最も気になるのはひずみ率である。まずは左チャンネルから。
いまなら表計算ソフトを使って美しく描画するのが普通であるが、どうも昔の癖が残っていて手でプロットしたくなる。見にくいところはご容赦。
続いて右チャンネル。
このグラフからわかること。
これまで、ひずみ率は0.1%を切ることは困難で、0.01Wで0.3%,1Wで1.6% (at 1KHz)がやっとだった。おまけに最大出力はひずみ率5%ととすると、3.8Wあたりとまことに貧しい限りであった。
なので、最初に測定値が表示されたときは何かの間違いかと目を疑った。

一方気になることもある。左チャンネルの数値はかなり優秀なのだが、それに比べて右チャンネルが少し悪い。左チャンネルの残留ノイズが0.2mVで右が0.6mVと差があるので、そのせいかもしれない。そうすると今度は、なぜ右チャンネルだけ残留ノイズが大きいのかが疑問になる。

それからもう一つ。右チャンネルでは周波数の違いによるひずみ率の差は小さいのだが、左チャンネルは1KHzだけ飛び抜けてよい代わりに、100Hzと10KHzはやや悪く、この二つの間でも若干の差がある。これも気になるところ。

これらのことは、今後の研究課題となる。
ほかの特性は以下の通り。

ゲイン 35dB
周波数特性 12Hz ~ 100KHz (-3dB at 0.5W 8Ω)

こんな単純な回路でゲインが35dBもあるのにはちょっと驚いた。
オープンゲインは実測していないが、シミュレーションによれば1KHzで52dBとの予想である。
またダンピングファクターはこれもシミュレーションによれば10以上ありそう。この数値は空芯コイルのDCRにかなり依存する。将来、もう少し太い銅線を使って巻き直したいと思っている。おそらく音にも影響があるだろう。

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