13D2+2N3634 バッファーアンプ2024年01月11日 20時02分58秒

やっとバッファーアンプの回路がフィクスした。実を言えば、ここに至るまで試行錯誤の連続だった。

最初のバージョンで問題になったのは、入力端子に発生する電圧。このまま電子ボリュームMUSE72323に直結すると、ボリュームを変化させるたびにノイズが発生する。MUSES72323のデータシートにはきちんとこんな場合はCを入れてDCをカットするようにと書かれている。なので使い方の問題なのだが、なんとかこのCを入れない方法はないかと考えた。

DC電圧が発生するのは2N3634のベース電流が流れるため。この問題を解決するために回路を工夫した。それがこれ。
13D2のカソードと2N3634のベースをつないでしまう。少し複雑になることに目をつぶれば、ベース電流の影響から逃れることができる巧妙な回路である(とうぬぼれた)。早速組み立てて音を聴いてみた。

結論。だめだった。なぜかわからないが、最初のバージョンに比べてどこかおとなしくて、迫力が後退する。複雑にした意味が全くない。即没。

次に考えたのが、ベース電流をキャンセルできないかということ。トランジスタ入力のOPアンプの一部ではこの方法が用いられている。それでカレントミラー回路を入れ込んでみた。ブレッドボードにトランジスタ部だけ組み立てて試験してみるとうまく動くように見える。それで本体を組み立てみた。
結果。音はきちんと出るのだが、電源オフ時に発振してしまう。最初、発振しやすいと言われるカソードフォロワー、エミッタフォロワーが怪しいと当たりをつけ、グリットやベースに抵抗を挿入してみたが、全く効果無し。電源回路から回り込むノイズもひどく、ハム太郎状態。おまけにボリューム操作時にノイズも出る。それで回路図にCが入っているのはこのため。これも没になった。

そんなこんなでいろいろ回り道した結果、結局もとの回路に戻った。無理せず素直にCを入れる。こうするとマイナス電源がいらなくなるという大きなメリットが生まれ、電源から回り込むノイズにも悩まなくて済む。
回路図はまことにシンプル。
電源部。
本機の外観。
そして裏面の様子。
シャーシがやや大きくて、全体に間延びした配置になっている。ただ試験をするときには作業がしやすくて助かる。
半田付けが終わったのは1月9日だからまだ音は落ち着いておらず、やや硬い。じっくりと熟成を待つ。

この回路、一つだけ欠点がある。出力電圧がおよそ6V程度あるので後ろにつながるパワーアンプは必ずDCカットすること。300Bシングルアンプはトランス受けなのでその点は問題ない。

そしてもう一つの課題。実はこちらの方がやや深刻なのだが、出力のホットHとコールドCの電圧差がおよそ500mV程度発生する。今はこれを無視してトランスで受けているけれど、あまりよいことではない。これをどう解消するか。今後の課題となった。