GaN単段アンプ コイル巻き ― 2021年03月18日 20時24分11秒
さて、一番最後に残った課題がコイル巻き。いろいろノウハウがあるだろうということは、ずぶの素人でも予想はできる。これも身銭を切って学ぶしかない。
しっかりとしたものを作りたければ、旋盤なみの剛性を持った巻線機が理想だとはわかるが、コイルを巻いたこともない者が最初から用意するわけにはいかない。今回は、とにかくコイル巻きのノウハウを学べればよしとして、目標は高く置かないことにした。
まずは肝心の巻線機。
板きれは車庫にあったものを探してきた。ほかの金具はホームセンターで調達。手前のボビンがオヤイデから購入したときに巻かれていたもの。奥にあるのが巻いた後のコイルの姿。
直径11mmの中空パイプにコイル長さ20mmで巻いていく。できあがり直径は約100mmとなった。側板は、ネットで購入した3mm厚の円形アクリル板。
巻いてみるとすぐにわかるが、最初の4層目あたりまではなんとか整列巻きができても、その後はガラ巻きなってしまった。0.8mm銅線では難しい。
それからこのような薄型円盤の形状で巻いていくと、側板に力が加わわって外側に膨らんでコイルが崩れていき、大失敗した。トロイダルトランスの円盤状押さえ金具で両側から挟んで対策をしたらうまくいった。
決まった長さで最大のインダクタンスを得るためにはこのような形状がよいらしいと当たりをつけたのだが、どうもあまりよくなかった。よくない理由はもうひとつあって、電流によって発熱するのは当然として、問題はその熱をどう逃がすかである。この形状では中心部分の熱が外部に拡散する経路がほとんどなく、温度が上昇する。いっぽう外側は熱が拡散しやすいので温度はそれほど上がらない。無駄に温度上昇による抵抗分が増えることになる。
とにかくそんなこんながあって巻いた姿がこれ。一番外側は弾性接着剤でまとめた。
アンプに入れ込んで、50時間エージング経過したあたりから音が落ち着いてきた。ところで肝心のインダクタンス。製作前は100mHを目標としていたのに、作ってみたら45mHしかなかった。オヤイデのガラ巻き状態とほとんど変わらず。TESLAサイトの計算ではうまくいくはずだった。このような極端な形状では誤差が大きく出るのかもしれない。その点も今回の反省点である。
しっかりとしたものを作りたければ、旋盤なみの剛性を持った巻線機が理想だとはわかるが、コイルを巻いたこともない者が最初から用意するわけにはいかない。今回は、とにかくコイル巻きのノウハウを学べればよしとして、目標は高く置かないことにした。
まずは肝心の巻線機。

直径11mmの中空パイプにコイル長さ20mmで巻いていく。できあがり直径は約100mmとなった。側板は、ネットで購入した3mm厚の円形アクリル板。
巻いてみるとすぐにわかるが、最初の4層目あたりまではなんとか整列巻きができても、その後はガラ巻きなってしまった。0.8mm銅線では難しい。
それからこのような薄型円盤の形状で巻いていくと、側板に力が加わわって外側に膨らんでコイルが崩れていき、大失敗した。トロイダルトランスの円盤状押さえ金具で両側から挟んで対策をしたらうまくいった。
決まった長さで最大のインダクタンスを得るためにはこのような形状がよいらしいと当たりをつけたのだが、どうもあまりよくなかった。よくない理由はもうひとつあって、電流によって発熱するのは当然として、問題はその熱をどう逃がすかである。この形状では中心部分の熱が外部に拡散する経路がほとんどなく、温度が上昇する。いっぽう外側は熱が拡散しやすいので温度はそれほど上がらない。無駄に温度上昇による抵抗分が増えることになる。
とにかくそんなこんながあって巻いた姿がこれ。一番外側は弾性接着剤でまとめた。

コメント
_ Bunpei ― 2021年03月21日 21時06分14秒
_ Kon ― 2021年04月04日 22時23分58秒
Bunpei様
コメント、ありがとうございます。
まず2からですが、ご指摘の通り整列巻きにはなっておりませんから、仮定から外れているのは事実です。
しかし、オヤイデから届いたままの形で測定した値が、計算値からそれほど大きく外れていなかったので、ガラ巻き状態だからといって計算値と測定値に2倍以上の誤差が出るとは考えにくいと思っています。
次に1ですが、これは私もまだ不勉強で?というところです。
世の中には、単層巻きのインダクタンスを求める計算式はあるけれど、複層巻の場合には正確なインダクタンスを導き出す計算式がないらしく、近似式として長岡係数というものが使われるところまでは理解しておりました。
TESLAが掲載している式は、それとは違うもう一つの近似式のようですが、長岡係数を使う式とどれくら整合性がとれているのかはよくわかっていません。
ソレノイド半径とソレノイド長の比が極端な値の場合(つまり今回のような場合)、長岡係数はどんどん小さくなりますので、イメージとしてはBunpeiさんのご指摘のようなことになるのかもしれません。
コメント、ありがとうございます。
まず2からですが、ご指摘の通り整列巻きにはなっておりませんから、仮定から外れているのは事実です。
しかし、オヤイデから届いたままの形で測定した値が、計算値からそれほど大きく外れていなかったので、ガラ巻き状態だからといって計算値と測定値に2倍以上の誤差が出るとは考えにくいと思っています。
次に1ですが、これは私もまだ不勉強で?というところです。
世の中には、単層巻きのインダクタンスを求める計算式はあるけれど、複層巻の場合には正確なインダクタンスを導き出す計算式がないらしく、近似式として長岡係数というものが使われるところまでは理解しておりました。
TESLAが掲載している式は、それとは違うもう一つの近似式のようですが、長岡係数を使う式とどれくら整合性がとれているのかはよくわかっていません。
ソレノイド半径とソレノイド長の比が極端な値の場合(つまり今回のような場合)、長岡係数はどんどん小さくなりますので、イメージとしてはBunpeiさんのご指摘のようなことになるのかもしれません。
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ところで、コイルのインダクタンスが計算値の半分以下になてしまった件、2つの要因を考えてみました。
1.空芯コイルの条件を満たしているか?
空芯コイルというのは、中心部の一部だけが空の状態でありさえすれば空芯といえるのでしょうか?というのは、直径100mmの外縁部の銅線からみればその内部のほとんどの空間は銅で満たされていて空芯とは見えないのではないかと感じられたからです。
2.計算式提供ページの要件を満たす巻き方ができているか?
計算式自体に誤りはないと思われます。計算式は、同ページの図に示されるような規則正しい銅線の配置を仮定しています。巻き上がりは、その仮定通りとなっているでしょうか?