ラインアンプ トランス増幅タイプ2014年03月24日 20時54分52秒

 ES9018の出力をトランスで受けることで、音が見違えるようにダイナミックになることがわかってきた。一番シンプルなのは、DACの出力を直接トランスで受けること。多くの方がこの方法で好結果を得ている。しかし、この方法はトランスを選ぶ。

 私の手元にあるのは、放送局で使用していた調整卓に組み込まれていたマイク/ライン兼用トランス。音が良いのはわかっているのだが、いかんせん使い方が難しい。

 当初、DACの出力を直接このトランスで受ける方法を試したのだが、どんなことをしても付帯音がつきまとってしまい、断念した。シミュレーションをすると、矩形波の立ち上がり部分で、トランス一次側にオーバーシュートが派手に出現することがわかった。おそらくこれがDACの内部に影響を与えているのだろう。DACの出力インピーダンスが比較的高いことが原因。低インピーダンスで駆動するとオーバーシュートは消失する。

 対策として考えだしたのが掲載の回路。何ともシンプルなMOSFET によるソースフォロワーである。ただ一つ異色なのは、通常ソース側に抵抗か定電流回路を置くところを、ダブルチョークトランスを置いたこと。

 このトランスは、昨年縁あってある方から譲っていただいたもので、いつか活用したいと願っていたところ、今回このような形で日の目を見ることができた。本来は真空管アンプ用ではあるが、ダブルチョークであることと使用電流がちょうど良いなど、使用目的にちょうどぴったりである。
 
 ハンダ付けが終わり、念のため矩形波を入れて出力波形を観測した。素直な出力波形となっている。最大出力は80Vp-pを超えているようだが、オシロの限界でそれ以上は測定できなかった。ゲインは17dB。トランスだけで信号を増幅している。適正負荷インピーダンスは20KΩ。パワーアンプがちょうどこの値なので都合が良い。

 接続は、SDカードプレーヤー -> DAC -> ラインアンプ(トランス増幅)-> パワーアンプ。DAC以降はすべてバランス接続。音量はDAC側で調整する。

 音を聴いてみる。音味が違う。中身がいっぱい詰まっている。とは言え、DAC電源のVAR抵抗のエージング不足のため、音が堅い。それでも、かなり可能性が高いことはわかる。あと数週間後に判断できるようになるだろう。

 ところで、妻のオルガンシステムも、考え方はまったく同じ構成になっている。ES9018のシングル。同じ音響調整卓からはずしたPO400601によるトランス増幅。パワーアンプはSA-20。妻はこのシステムに大変満足している。解像度はさすがに私のシステムが勝るが、音楽を心楽しく聞くという点では、妻のシステムが上ではないかとさえ思う。

 SA-20は猛烈な熱を出すので、夏に向けてなんとかならないかと妻から切り出された。ちょうど、息子が置いていったDENONのPMA-1550Rがあったのでこれに入れ替えてみた。とたんに妻の顔が曇った。音が悪いというのだ。
 数日後、SA-20に戻した。このアンプにすると、オルガンをもっともっと弾き続けたいと思うのだそうだ。妻が2年近く、毎日オルガンの練習に励むことができたのは、このアンプのおかげだったようだ。めでたしめでたし。

コメント

_ (未記入) ― 2014年03月25日 19時59分46秒

本日(3/25)小生のブログで、「KONちゃんの虫眼鏡」を紹介させて戴きました。事後承諾で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

_ Konちゃん ― 2014年03月26日 21時49分58秒

sankanchi様。いつもブログ拝見させていただいております。私にとってはあこがれの高嶺の世界で、ため息が出るばかりです。いつかその頂に一歩でも近づきたいものだと願っておりましたところ、思いがけなく拙ブログの名を記していただけるとはまことに恐縮です。
これからもブログを楽しみにしております。

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