GaN 単段アンプ その62021年03月15日 22時43分58秒

あれからいろいろと、GaN素子の最適バイアスがどこにあるのかを考えてみた。もしかしてVdsが小さいところにあるのか。そうなれば、カスコードアンプにするしかない。
このアイデアは、Nelson Pass のZen V9がオリジナルである。あそこでは、三極管特性を持ったLU1014Dを使っていて、これもいつかは試してみたいと思っているが、いまはGaNを追求するのが先である。

ということで、回路図は上のようになった。
VR1でアイドリング電流を設定し、VR2で下のGaNのドレイン電圧を3Vに設定する。ただしVR1とVR2は互いに影響し合うので、交互に調整する必要がある。

回路は一見複雑そうに見えるが、単段アンプに数個の部品を追加するだけである。
下は実装した状態。
放熱器が2個取り付けられるタイプだったので、ちょうどよかった。ちなみに放熱器は、手でずっと触れていられるくらいの温度なので、だいぶ余裕がある。

それで音なのだが、これがまた大きく変化した。ひずみ率は残念ながらカスコード化する前とほとんど同じなのに、どうしてこんなに違うのかと不思議である。

GaNは入力容量が小さいので、そのままでも高周波特性が伸びて不満がなかった。ところがカスコード化すると、音がすうっと上の方に伸びていて、改造前の音にはストレスがあったことが初めてわかる。カスコード化は必須である。これでやっとGaN本来の持ち味を発揮させたことになるだろうか。

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