GaN Single End Power Amp その22023年02月17日 21時46分33秒

前回のアンプについて、いくつかの補足がある。

まず一つ目。GaNトランジスタの特性として、小電流時には問題にはならないのだが、500mA以上を流すような大電流領域になると、ゲート漏れ電流が無視できなくなる。G-S間に高抵抗をつなぐものなら、アイドリング電流が不安定になり、音も腰高になっていけない。この問題を避けるために解決策がソースフォロワドライブで、これまでそうしてきた。

今回は極限まで回路を簡素化させるために、ドライブするトランスの二次の巻き線が低抵抗になるようにした(実測で7Ω)。

そのトランスのことが二つ目の補足となる。
入力トランスに使ったPO400601は、型名が示すとおり一次が40Ωで二次が600Ωが仕様である。それを一次、二次を反転させて使う。メーカーの指定とは異なる使い方になるので、周波数特性を測定し、問題がないことを確認しておいた。

これで満足できる音が出たなら痛快この上ない。しかし世の中、そんな都合よくできてはいないらしく、やはりなんとなく不満が出てきた。透明感が高く、美しいのだが、なんとなく訴えるものに乏しい。パワーアンプには、やはりそれなりのゲインが必要なのだろうということになり、次の回路を考えることになった。
<この項続く>

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