SA-20エージング中 その32014年09月25日 15時52分03秒

段間結合用のコンデンサをロシア製ペーパーオイルコンデンサに入れ替えてからほぼ一ヶ月が経過した。

当初はひどい音しか出なかった。低音はすっぱり切り落とされ、刺々しさもはなはだしかった。本当に良くなるのだろうかと気持ちが暗くなる時もあった。

それが、ここ数日の間で低音が出始めた。その低音の出方の変化であるが、「便秘」を連想してしまった。最初、出そうとしている気持ちが伝わるのだが、うまく出せないもどかしさ。それが次の日になると、快調に出始めてくるのだからおもしろい。しかし、まだ質が伴っていない。

今日現在は、全体としてのエネルギーバランスが大分整ってきたとは言え、「おいしい中音」の充実感がまだ乏しいと感じる。これがないと、音楽の感動が薄れてしまう。

まだ道半ばである。

SA-20 エージング中2014年09月15日 17時00分06秒

SA-20の結合コンデンサをロシア製オイルコンデンサに交換したあと、地道にエージングを重ねている。

オイルコンのエージングには500時間を要するとの情報もあるが、嘘ではないと思う。これまで累計100〜150時間程度通電してきた。大分聴きやすくなってきたとはいえ、まったく不十分だ。心に訴える肝心の部分がすっぽりと抜け落ちている。点数で言えばゼロ点。ダメなものはダメ。以前なら「40点くらい」と言ったかもしれないが、40点では存在する意味がない。満足できる音になって初めて存在が認められる。

完成度が上がってくるとどうしても評価が厳しくなってしまう。
まだまだ忍耐がいりそうだ。

SA-20エージング中2014年09月03日 22時13分31秒

SA-20の初段と2段目にある結合コンデンサを、Wonder Capからロシア製オイルコンに入れ替えて10日が経過した。

1日平均3〜4時間火を入れてエージングしている。当初、ひどい音しか出なかったのが、少しずつ変化し始めている。でもまだまだ音が刺々しくて長く聞いていられない。ときには、スピーカーを総入れ替えしなければならないのだろうかと思うくらいひどい音のこともある。

いつものことだがエージングは直線的には改善していかない。昨日は良い音になったと喜んでも、次の日には最悪の音になることもしばしばである。いっそのこと24時間エージングしたいところだが、電気代もバカにならない。

ワインのように、時間をかけてじっくりと熟成されていくのをひたすら待つしかなさそうだ。

Counterpoint SA-20モデファイ日記(11)2014年08月25日 20時28分40秒

気になっていた結合コンデンサを交換した。デフォルトは、Wonder Cap(0.68uF/425V)。これをロシア製オイルコンデンサ(0.47uF/400V)に交換。West Capも考えたのだが、残念ながらサイズが大きくなりすぎて真空管に接触する可能性がある。涙をのんでロシア製で代替とする。

とは言っても、NS-10がそばにあるため、格納方法には頭を悩ました。結局、パズルのようにああでもないこうでもないと考えた結果、NS-10の上にコンデンサをほぼ並行に配置した。抵抗から熱が発生するため、これにあぶられてしまうのだが、背に腹は代えられない。触れてみると人肌に暖まる程度なのでよしとする。
こんな場合、一般の真空管アンプのようにプリント基板を使わない配線方法ならもっと自由がきくのにと、ないものねだりをしたくなる。

現在エージング中。評価は後ほど。

Counterpoint SA-20モデファイ日記(10)2014年08月15日 22時15分34秒

SA-20は順調にエージングが進んでいる。
いつものようにキース・ジャレットを聞きながらうとうとしていると(これが一番幸福な時かもしれない)、ふとひとつのアイデアが浮かんできた。

SA-20の初段と2段目の間が単純なCR結合となっていて、2段目のグリッド抵抗(1MΩ)はアースに接続されている。引き出しを開けると、昨年Analog親爺さまから譲っていただいた小型のチョークトランスがあり、いつか活躍の場を与えることができるならと思っていた。

待てよ。あのグリッド抵抗をチョークトランスに置き換えたらどうなるだろう。そう思ったら、無性に気になりだした。翌日、件のチョークトランスの測定にかかった。形からグリッド・チョーク結合用のトランスであることは推測できたのだが、本当にそうなのかどうか、測定して証明する必要がある。

さっそくOSCとオシロスコープを接続してトランスと直列に接続した抵抗(1KΩ)両端の電圧波形を観測する。驚いたことに、OSCの出力を最大にしてもごくわずかな振幅しか出てこない。最初はなにかの間違いかと思ったが、計算してみて納得した。
100Hzのインピーダンスが1MΩを超えていて、インダクタンスはなんと2000Hに達している。これはれっきとしたグリッド結合用チョークトランスである。

SA-20を作業台に載せ(これが重くて一苦労なのだが)、作業にとりかかる。今回の作業項目は以下のとおり。

1)初段のグリッド抵抗(100KΩ)をVARに交換。
2)初段入力からグリッドの間に2.2KΩの抵抗が直列に接続されている。これを2.7KΩのVARに交換。
3)2段目のグリッド抵抗を、チョークトランスに交換。

このトランス、ほとんど使用された形跡がなくエージングが必須である。なので今の時点で出くる音は、高い方にエネルギーが寄って、キンキンしていることは否めない。低音がすっぱりと切られているというエージング不足の典型的な症状も確認できる。

ところが、そんな欠点を押しのけても、グリッド・チョーク結合はCR結合とかなり音の姿が違うことが明白に感じられる。音が濃い。音の姿がますます立体的になり、演奏者の魂に肉薄するかのようでさえある。

エージングが一段落するまで、少なくとも一ヶ月以上はかかるだろうか。なんとも楽しみになってきた。

ちなみに、グリッド・チョーク結合については、ラジオ技術1996年7月号で森川雄介氏がオーディオ専科のキットを紹介する記事の中で解説してくださっていて、大変参考になった。