PICの仕様を変更した理由2022年01月08日 21時35分57秒

ところでなぜPICの仕様を変更したのか。
いや、その前にそもそもPICを使う理由は何かから始めよう。

GaN アンプの電源起動/停止に伴って、何も対策しなければかなり耳障りなショック音が出る。これをなくす、もしくは低減させるために、初段(+102V)と終段(+28V)の電源の起動、停止に時間差を設ける必要がある。アナログ的に対策できるならそれで済ましたかった。私の頭ではどうしても思いつかない。それでPICの登場となった。

ではPICを使ってどのように電源の起動/停止をさせるのか。
+102V電源については2021年12月28日の記事で触れている。TLP172Gを使って、WE427Aの起動する同期して+102Vが起動するようにしている。それは問題ない。

では+28V電源についてはどうするか。
当初考えていた回路図を見ていただく。
回路図を見ると、PIC12F629の右にPVI1050Nがある。これはフォトボルタイック素子とも言われて、1から4ピンにつながっているLEDに電流を流すと5から8ピンに電圧が現れる。主にMOS-FETの制御に使われる。

このフォトボルタイック素子でGS61004Bを制御するというのが当初のもくろみ。そこでPICのプログラムをせっせと書いた。ところが、動作させてみたらうまく動かない。

理由は何か。
フォトボルタイック素子はどのメーカー品であっても、出力電流はせいぜい10μAである。その代わり、オープン出力電圧は8Vにも達する。普通のMOS-FETなら十分に駆動できる電圧である。

もちろんGaNトランジスタも動かせるだろうと思い込んでいた。しかし動かない。直列接続しても電圧が上がらず、うまくいかない。ここでやっとGS61004Bのデータシートを見返す。
ちゃんと書いてある。VGS=6V, VDS=0Vのとき、すなわちスイッチング素子として使う場合、Gate-to-Source Current は100μA。フォトボルタイック素子の10倍の電流を食おうというのだから、動かないのは当然。設計段階でこんなことも見抜けなかったとは、ああ恥ずかしい。
あとの戒めのために失敗した基板を掲載する。PICの上に二個のPVI1050Nが見える
裏面にはGaN素子がL用とR用、二個載っている。

ということで設計は振り出しに戻った。
結局、+102Vから電源を借りてきて、GaNトランジスタを駆動することにしたらうまく動作した。このことはまた次の欄で。

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