VP-7723A 故障解析その4 一応解決2021年11月28日 22時19分26秒

前回から続く。

<捜索 その4>
VP-7723Aの回路図は、ネットをいくら探索しても出てこない。手に入れるためには、お代を払わなければならない。日本の某オークションにはときどき出ることもあるのだが、さすがにあの値段では手が出ない。幸いにしてeBayにリーズナブルな値段で出品されているのを発見し、出品者と値段の交渉をして値引きしてもらい、購入に至った。ネット時代はすばらしく、それから数時間後に手元に回路図付きサービスマニュアルが届いた。

回路図を眺めてCPUから出ているアドレスバスとデータバスがどう流れ行くのかを確認。そうするとバスラインが外部端子に接続されるその直前にU29がある。
部品番号はuPD71055GB。デジタル回路に詳しい方なら、これを見てピンとくるのだろう(私は全くピンとこなかった)。このICはデータシートによれば、3つのI/Oポートを持つパラレルインターフェースと説明がある。

もしこれが故障したらどうなるか。正常なアドレス信号やデータ信号がフロントパネルの基板に行かなくなり、パネルの表示はフリーズしてしまうか、まったくでたらめの数値になるだろう。これがクロの可能性が出てきた。

最後の証拠をどうやってつかむか。急冷スプレーを吹きかけても、現象に変化はない。では、半田付けをし直してみたらどうか。これがその写真。
結果。
スイッチONしたら、パネル全面のLEDが点灯し、これまでなかったような異常な表示となった。スイッチを何度入れ直しても同じ。これには頭を抱えてしまった。ちょうど就寝時間が迫っていたときで、これ以上追求することができず、その夜はフトンへ。しかし、気になってすぐには寝付けない。

翌日、出勤前にダメ元でスイッチを入れてみた。驚いた。正常動作するではないか。数分後にフリーズするかと思ったら、いつまでもそんな気配がない。いったいなぜ??ともかく、これは喜ばなければならない。
気もそぞろに仕事から帰ってきて、スイッチを入れてみると、これも正常である。直ったらしい。しかし昨夜のあの異常はなぜ起きたのか。そこだけ未解決のまま、今回はこれでクローズとなった。

まとめると、今回の故障は二つが重なっていたことになる。
水晶発振子の故障とU29の半田付け不良(と思われる)。

なお、水晶発振子の周波数のことであるが、16.9344MHzのままでは測定器として使えない。具体的にいえば、周波数を1KHzに設定してもそれより低い数値が表示されるし、歪率の数値も正確ではない。周波数、歪率共に内部で発振周波数を参照しており、測定数値は16MHz水晶発振子の精度に依存するためだ。
早速、Mouserに誤差±10.00ppmのものを注文した。

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