励磁型スピーカー エージングの旅へ2021年02月03日 22時23分31秒

フィールドコイル用電源ができたのだから、すぐに音出しをしたくなるのが人情。しかし裸の状態ではどうにもならない。すぐにホームセンターに走って、18mm厚サブロク合板を半分に切ってもらい、家に帰ってから穴を開け、平面バッフルを仕立て上げた。
これをALTECエンクロージャーの前に立てかけたのがこの写真。
エージング無しだからあまり良い音が出てこないだろうとは覚悟はしていた。そうしたら本当にひどかった。一瞬、大枚をドブに捨てたかと思ったほど。

そのあと、しばらく我慢していると少しずつ変化してきた。数時間経つと、最初の音とは大違い。ホーンシステムが鳴っているのかと錯覚するほどのスケールになったときはちょっと驚いた。しかしそれもつかの間、すぐにまたひどい音に逆戻りして、これは本領発揮までエージングが必要と判断。

毎日こんな音と付き合うのも耐えがたいので、一計を案じた。
リビングには、往年の名器と言われたダイアトーンのフルレンジP-610A(指定箱入り)があって、これをKT88ppアンプで駆動している。この箱からP-610Aを取り出して、そこへSilver LAB8を取り付けることにした。

P-610Aは口径16cmで。Silver LAB8は名前の通りに20cmであるあから、穴が合わない。しかしそんなことはおかまいなしで、強引に入れてしまった。
リビングのシステムは、主にネットラジオを聴くために置いてあるのだが、アナウンサーの声を聴いただけでも、P-610Aに比べて格が違うのがすぐにわかった。

このまま春までエージングしてもらい、熟成してからもう一度じっくり評価することにしよう。

シングルスピード・バイク ブレーキケーブル取り付け2021年02月03日 22時55分39秒

2月は雪は降るし、気温も低くなる。車庫に置いた三本ローラーでトレーニングしようとしても、寒すぎてやる気が起きない。

それでも一ヶ月も経てば、幹線道路は乾燥し始める。そのときのために走る準備だけはしておく。久々の休日、午後からブレーキケーブルをセットした。ワイヤーはSRAMのブレーキハンドルに付いてきたものを、ケーブルは某オークションでDURA-ACEグレードを格安で入手。

いつも失敗するのが、最適なケーブルの長さ。今回も、フロントブレーキをセットするとき、短く切りすぎてツンツンになってしまい、やり直した。

完成してみると、全体に若干長すぎたかもしれないが、そのうち微調整すればよい。シフトケーブルがないぶん、フロント周りがすっきりして見える。

GaNを使った単段アンプ ブレッドボート篇2021年02月07日 20時14分50秒

自転車をシングルスピード化したついでに、アンプもシングル・ステージ(単段)に挑戦することにした。
このジャンルでは、Nelson Passが考案したZenシリーズがなんといっても有名だろう。同じことをしてもおもしろくない。今回は、GaN素子を使ってどこまでできるか試すことにした。

そこでまず回路を考えた。
ラインアンプはバランス出力なので、バランスで受けられるように、UTCのトランス(1次600Ω、2次5KΩ)を使う。
能動素子にGS66502Bを採用したところが今回の目玉の一つ目。そして二つ目は、ドレイン負荷には定電流回路や抵抗ではなく、チョークを採用したこと。ドレイン電流はとりあえず800mAとした。
実際に動くかどうかブレッドボードを作った。まず最初は、トリテックの空芯コイル2.2mHを2個直列したものをチョーク負荷にした。
こんな単純な回路なのに、ちゃんと音が出たことにまず驚いた。インダクタンスが小さすぎるので低音がでないところは予想通り。

そこで次に電源トランスをチョーク負荷に使ってみることにした。測定してみると20mH程度あるが、電流が流れるともう少し小さくなるかもしれない。
インダクタンスが大きくなったので低音が出るようになり、NS-10で聞く限りではバランスは整っている。ただ、空芯コイルに比べると音が濁っているというのか、なにか不純物が混じったように感じる。

今回のブレッドボードの結果から、単段アンプには大きな可能性があることが見えてきた。ただ、回路が単純であるために部品一個一個の性能が大きく影響する。本編では是非空芯コイルを採用したい。

ということで、次に空芯コイルの自作に挑戦する。目標は100mH。さあどうなるか。

空芯コイル負荷に対するNelson Passの評価2021年02月07日 21時16分39秒

diyAudioを検索したら、つぎのような記事を発見した。
Nelson氏の投稿記事

およそ1Hの空芯コイルで試したところ、素晴らしい結果が得られたという。1000フィートのマグネットワイヤで1Hの空芯コイルをどうやって作ったのかとちょっと疑問は感じるが、とにかくこれを読んだら前に進む勇気が出てきた。

GaN 単段アンプ その22021年02月18日 20時57分27秒

その後の経過を報告する。

まず、このアンプの要となる空芯コイルについてだが、オヤイデ電気から購入したUEW銅線(0.8mm)1Kgを使う。この姿で測定してみると45mH DCR=7Ωとなった。十分使える。将来はきちんとまき直すとして、とにかくどんな音が出るか早く聴きたかったので、そのままアンプにインストールした。これで素晴らしい音が出れば実に痛快だろうと思っていたら、本当にそうなった。

そのいっぽうで、いくつか問題も出てきた。
最初に構想した回路では、NFBを入力トランスの2次側に戻している。きちんと動作はする。しかしどうもなにか喉に小骨が引っかかる感じがあってすっきりせず、気に入らない。別の回路を考えることになった。

問題はNFBのかけ方にあるのだろうと仮説を立てた。そこでまず入力トランスをUTCからPO400601に交換した。このトランスは市販されておらず、以前たまたま手に入ったミキシングコンソールの出力に使われていたものである。

このトランスは、1次側に2回路のコイルが巻かれていて、インダクタンスが大きい方を入力に、小さい方をNFBの入力に使える。ちなみに2次側は600Ωスプリットとなっている。
いろいろ調整してフィクスした回路は以下の通り。
おなじみのブレッドボードに組み立てた姿のいくつかを写しておく。
メインの基板はご覧の通りに、入力トランスと数個の部品のみ。実に簡素なり。上方にVAR抵抗が見える。
増幅素子がGS66502Bであることの証拠を一枚。

作りっぱなしはよくない。性能を測定する。まずは矩形波のかたちから。測定条件は、入力10KHzで、8Ω負荷、出力は2Vp-p。
ご覧の通り、実に素直でくせがない。よい兆候である。
ゲイン 33dB
周波数帯域(-3dB)  20 ~ 42KHz
THD(%)
出力(W)   0.01  0.1   1     3

100Hz  0.20  0.34  0.70  1.44
 1KHz  0.16  0.06  0.13  0.83
10KHz  0.16  0.20  0.85  1.45

THD 5%を最大出力とすれば、5Wとなった。