KT88pp(2020年版) その12020年04月09日 22時17分34秒

あしたはどうなるのかと緊張と不安が渦巻く中、こちらは淡々と目の前にあることに取り組みながら日々を過ごすことをこころがける。
妻も極力外出を控え、二階のリビングに座り込んでずらりとそろえた「婦人之友」のバックナンバーを研究する毎日。記事を参考にしながら黙々と手を動かしていろいろ作っている。そうしたら、その作業の合間にラジオを聴きたいのでなんとかならないかという話になった。ネットでも聴けるのだが、iPhoneやiPadでは音が悪く、できるなら真空管アンプがよいという。
ということで、話は結局リビングにオーディオ装置を作り上げることにおさまった。

真空管アンプとなれば昨年末から作りかけているKT88ppがある。ここ二週間、集中して作業した。いつもとおり、あれやこれやトラブルに見舞われたけれど、ななんとか完成にこぎ着けた。

まずはメインの回路図。特徴は大きく三つある。反転入力NFBと、初段と終段の間にカソードフォロワーを設けたこと。そして、OPTの中点にチョークトランスをつないでいること。これを入れると最大出力が大幅にダウンするけれど、音はシングルに近づくと言われて、以前から気に入っている。

次に電源部。ここはあまり特徴はない。一つだけ補足するなら、一般にヒーターの片側は接地するところ、Dynaco MK3に則って中点をCを介して接地し、フローティングさせている。これで、カソードフォロワーのカソード・ヒーター間電圧の問題をクリアできる。

次に平滑回路、デカップリング回路、バイアス回路。チョークトランスを使って、これまでに比べてシンプルに仕上がった。

KT88pp(2020年版) その22020年04月09日 22時53分51秒

調整中のKT88pp。終段のアイドリング電流は、ひかえめにして30mAに設定。前回は、初段と終段を直結して非常に苦労した。CR結合でDC的に分離すると、なにがあっても被害が全体に及ぶことがないので、心理的にも負担が少ない。

続いて裏面。いつものことだが、手を加えながら完成度を上げているので、後から見ると「ああしておけば良かった」という点がいくつかある。

そして火をともした風景。妻はこれを見て、いたく感激していた。こういう演出が大事である。