がんと言われたが2020年03月02日 19時58分09秒

世間はコロナウィルスで大騒ぎである。
昨日の朝、車で走っていたときのことである。ドラッグストアの前の四車線の道路を小走りで横断する人がいて危ないなと思っていたら、もう一人同じように走ってくる。いったいどうしたのかとドラッグストアの方を見ると列をなして開店を待っている。驚いた。ちょっとしたパニックである。九年前の震災の時や、二年前の地震の時はホームセンターに人が群がっていた。また同じ光景が繰り返されている。不安に思う気持ちはわからないでもないが、ちょっと異常である。

そんな騒ぎをよそに、こちらは先日の手術で切り取った組織片の検査結果を聞きに行った。
名前を呼ばれて診察に入ると、主治医が画像を手際よく見せてくれる。切り取った組織はおよそ50×40mmの大きさで、これを細かく切り刻んで検査したのだそうだ。結論から言えば、やはりがん(悪性腫瘍)になっていたが、幸いにして早期であったので全部取ることができたので完治しましたとのご託宣。一年後にまた検査しましょうと言われて御赦免になった。
おおよそ予想通りなので驚きはなかった。これで私も「がん体験者」の仲間入りである。

検査前に飲むあの2リットルの液体には辟易であるが、健康のためには背に腹は代えられない。毎年飲むことにしよう。

ダブル水晶発振器とオーブン2020年03月02日 21時08分21秒

andrea_moriさんが発表しているオーブンは当然のことだが水晶が一個の場合である。ダブル水晶発振器のオーブンとなると、これはもう自分で工夫するしかない。

いろいろ考えても良い知恵は出てこない。結局、写真のように二つ横に並べた形に落ち着いた。

ここまでオーブンが大きくなると、裸のままでは無駄な熱が逃げてしまい、必要な温度に達しない。そこで発砲スポンジを適当な形に切って囲ってみたら温度が安定した。

コントロール回路はオリジナルから何カ所か変更した。
まずは電源電圧。オリジナルは12Vであったが、なぜこの電圧にしたのか全く不明。おかげで基板が焦げてしまうほどだった。シミュレーションしたら5Vでも全く問題ない。

発熱媒体は120Ωの抵抗である。オリジナルは8個であるが、これを倍の16個にした。

問題は温度測定である。さすがに熱電対を使うわけにはいかない。ネットで放射温度計が格安で売られていた。おもちゃみたいなものだが、それらしい温度を表示する。
ただ、測定ポイントを少しずらしただけで測定値がかなり変化するので少しこまりものである。
水晶発振子の頭にレーザーを当てておよそ82℃になるように半固定抵抗器をまわす。

Driccoll ダブル水晶OSC 試作6号 その12020年03月10日 11時01分02秒

いろいろ作り直していくうちに試作回数が積み重なり、一度整理しておかないと自分でも混乱してしまいそうになる。そこで試作番号を振ることにした。以下はそのリスト

試作1号 andrea_mori オリジナル
試作2号 andrea_mori オリジナル+オーブン
試作3号 andrea_mori 発振回路はそのままで、矩形波変換部を変更+オーブン
正弦波をFETバッファーで出力+矩形波変換部にLTC6957-3を使用
試作4号 Driscoll出願特許掲載の回路を再現 シングル水晶 オーブンなし
試作5号 同上 ダブル水晶 オーブンなし

そこで次の試作にとりかかる。これを試作6号と称することにする。
設計仕様はいかのとおり。
・電源電圧 発振器本体 +12V, オーブン +5V
・ダブル水晶
・出力はSMA同軸
・主要CにはSEコンを使用
・主要RにはVishayのVARを使用
・フェライトビーズを指定箇所に使用
・リミッターを導入
・カスコード回路の下側のトラにInfineonのBFR70を使用
・回路はこれまでの特許に掲載されていたものではなく、Driscollが2002年に行われたIEEE Frequency Control Symposiumで発表した資料のp61に掲載されている回路を参考にした。オリジナルから変更したのは出力部分である。
なお、元資料はここを参照のこと。

いつものようにすったもんだしながら動作確認を進めた結果、回路図は次のように固まった。
いくつかコメントを。
データシートによれば、BFP740はheterojunction bipolar transistor (HBT)と呼ばれるRF信号用トラである。ft=44GHz, NFmin=0.85dBが主な特徴。後でわかったのだが、HBTは一般のトラとは違い、ダイオード接続ができない特殊な構造になっている。
BFR182からBFP740への入れ替は簡単だろうと思っていたら痛い目に遭った。ftが高いだけあって簡単に異常発振する。Driscoll氏の原回路になぜフェライトビーズ(FB)が使われているのか、これで納得した。FBを指定箇所に入れたらピタリと動作が安定した。

ftが低いトラでも問題なく動くのに、なぜBFP740を使うのかと言えば、Driscoll氏の前掲の資料に「ローノイズ実現のためには高ftのトラを使うべし」と書かれているからである。そのため、レイアウトに注意しないと動作が不安定になることがあるとの注意書きも添えられている。

Q2,Q3,C8がリミッター回路となる。普通はここにショットキーバリアダイオードを使うのだが、BFR182のダイオード接続で代用したのは、できるだけ接合容量が小さい方が良かろう(Ceb=0.8pF)と思ったからで他意はない。なお、C8を大きくすると発振が停止する。C8=5pFが安定動作の限界であった。
ところでリミッターの有無による出力電圧の変化は若干ある程度で、今回のケースではリミッターなしでもよいと思われる。ここはまだ研究の余地がありそう。

試作6号 実装状態 オーブンなし2020年03月10日 12時00分37秒

いつものようにサンハヤトのユニバーサル基板に組んだ。
片側に大きな空間が空いているのは、オーブン実装時にここへ水晶を配置するためである。

ついでに裏面も。
試作段階なので、水晶がぽん付けされている。出力の終端抵抗は実装時にはずす。
高周波回路になれば部品リード線は短く切り、ハンダも極力滑らかになるようにきれいに盛るべきであろうが、何度も部品の入れ替えをしているうちにこうなってしまった。腕のまずさはかくしようもない。

試作6号 出力波形(オーブンなし)2020年03月10日 13時26分19秒

出力を観測する。手持ちの関係で終端抵抗は47Ωである。
試作5号に比べると出力が大きくなっている。今回も美しい正弦波とはならず。やや歪んでいる。