Laptech水晶発振器+オーブン その音は2019年12月23日 21時04分17秒

実を言うとオーブンを載せてから日々音が変化していて、今も現在進行形である。おそらく落ち着くまで一ヶ月くらいかかるかもしれない。

オーブンを載せない素の状態(水晶発振器単体)では、一聴してそれまで使っていたロシア製発振器から大きく変化したのがわかった。ところがしばらく聴いていくうちに頭を抱えた。ピアノの音がひずむように聞こえるときがある。いつもというわけではなく、なんとなくそのように聞こえる。一時はアンプがいかれたのか、それともスピーカードライバーかと疑い、心の晴れない日が続いた。音が全体的に堅く、ある周波数域にエネルギーが集中して聞き疲れしてしまい、まったく楽しくない。

それがどうだろうか。オーブンを載せたら激変した。24時間経過したときはまだ堅さが残っていたのが時間とともに熟成が進み、今日の時点では周波数のスペクトルが平坦になってきた。

何よりも顕著なのは、空間に垂れ下がっていた幕のようなものが取り払われてクリアになり、一音一音が分離してくること。これまでベースの音階が分離せず団子状に聞こえていたのはてっきりスピーカー(およびエンクロージャー)のせいだと思っていたのが、ここも分離し始めた(まだ完全ではないが)。

以前の状態から大きく進歩したのだからこれで大満足と思いたいところだが、不思議なことに、この先まだまだ良くなるとの予感がある。全体の重心がかなり低くなったのにもかかわらずまだ不十分で、手を加えればまだまだ低くなると感じる。また、いまは裸の状態で床に直置きしている最悪の設置状況で、音量を上げるとうさるく聞こえる。これを堅牢で温度的に安定している環境を用意すれば、激変するだろうと思われる。

短期的な課題は三つ。
一つ目は、堅牢なシャーシを用意すること。
二つ目は、ダブルオーブンとすること、
三つ目は、電源周りを充実させること。

中長期的な課題は、発振器からDACへの信号の受け渡しについて。
理想的には発振器とDACは距離が短いほどよい。しかし発振器はかなり頑丈なエンクロージャーに入れ込んで温度変化、外部雑音、振動から遮断する必要があるため、どうしてもDAC近傍に置くことは難しく、ケーブルを使ってクロック信号を渡すことになる。
従来、矩形波で信号を渡していたが、ケーブルも振動して圧電効果によって位相雑音を付加することは避けられない。であれば発振器から正弦波のままで渡して、DAC側で矩形波に成形した方が位相雑音の面から有利になるのではないか。
いろいろな妄想が膨らんでくる。