Circlotron3 ついに完成2019年08月14日 20時56分26秒

前回からの変更点は以下の通り。

(1)WE420Aのヒーターを定電流点火とする。そのため、専用トランスを一台追加。整流は理想ダイオードブリッジ、電流制御素子はもちろんGaNである。

(2)GaNのG-S間抵抗を2.2KΩ VARに入れ替えた。

(3)終段のフローティング電源の仮想グランドとなる510Ωを 100Ωに変更した。というのは、どうしてもコモンモードノイズが乗り、高能率スピーカーでは無視できないほどの大きさで聞こえてしまうからである。

これで回路はフィクスとするので、回路図を掲載する。
まずはメインアンプ部から。
続いて初段の電源関係。
続いて終段の電源とプロテクター回路。ただし、プロテクター回路については、絵だけで詳細は省略してある。
最後にヒーターの定電流回路。
それで結果はどうなったのか。そのことは次のコラムで。

Circlotron3 出てきた音は2019年08月14日 22時10分38秒

まずは証拠写真から。ヒーター定電流回路を入れ込むスーペースがちょうどぴったりあいていた。
内部の様子。終段GaNのG-S間抵抗VARは基板の裏側に置いたので写真には見えていない。
このアンプの立役者であるGaN (GS66502B)がいかにすごいのか、せめて写真で見てもらって目に焼き付けていただきたい(いらぬお節介か)。
それで音である。
これが同じアンプかと思うほど、手を入れる前とは全く違う。ヒーターの定電流回路とVARを同時に入れ替えたのでどちらがどのように利いているのかはわからないが、おそらくVARの効果であろうと推測している。

正直に言えば、これを超えるアンプを作る自信がなくなった。繊細でありながら雄大。重心が沈み込むという形容があるけれど、もはやそんな評価は意味がないように思うほど楽器がそこに実在する感覚が強く、演奏者の息づかいがせまってくる。

6年前、ピアノの音を再生しても子供のおもちゃのピアノにしか聞こえなかった。それからひたすらグランドピアノの音に近づくことを目標にしてきた。それがやっとかなったように思う。
これは神経を張り詰めながら耳をそばだてて聞く音ではない。ただただ身も心も、からだ全体に染み渡っていく。それに身を任せるだけ。そんな音である。

これでもまだエージングの途上である。落ち着いたらどうなっているのだろうか。