奥多摩に行ってきた2019年07月15日 10時01分57秒

年に一度この時期になると我が母校の夏期セミナーが奥多摩で開かれる。昨年はモンゴルに行っていたので参加できなかったが、今年はセミナーのテーマにも興味があって二年ぶりに参加した。

セミナーは三日間。中日の午後は自由時間になっていて、近くに散歩に出かけた。写真はそのときに撮ったもの。いつもながらこれが同じ東京とかと思う風景。山の斜面が急峻で谷を深く削り、定山渓あたりとは比べものにならないくらいの迫力がある。

数年ぶりに会う仲間たちとの歓談があったり、初めて会う方から思いがけず深刻な悩みを相談されて驚いたり。そんなことも前向きに受け止められるセミナーであった。しかし、なぜわざわざ東京の山奥まで出かけるのかと言えば、七十五歳を過ぎてもなお盛んに研究されている先生の姿に励ましを受けたいと思うからであろう。その先生が最近本を出版されたと伺い、早速「著者割引価格」で注文させてもらった。
東京滞在中、ずっと曇りか雨。札幌よりも寒く感じて驚いた。ずっとフリースを手放すことができないくらい。今日のニュースでは、記録的な日照不足と報じられていた。札幌も、私が戻ってきた途端にどんよりした曇り空が続いている。

Circlotron3 順調にエージング中2019年07月15日 10時22分37秒

家にいるときは毎日3〜4時間電源を入れてエージングをしている。最初は音が堅くて、正直言えば「音楽を楽しむ」ことなどほど遠い状態で心も暗くなった。音がうわずっていると言えばいいのか、音のエネルギーが高い方に偏っている。でもこれはエージング不足の典型的な症例なのでじっと我慢するしかない。

そのようにして忍耐してきたところ、最近になってやっと音のエネルギーが低い周波数域にも広がり始め、心を揺り動かすような音楽が奏でられるようになってきた。とはいえ、完成までにはまだまだ先が長いと感じるのも事実。「ゴムまりのように弾み、かつ風のようなコントラバス」にはまだ一歩届かず、どこかまだ詰まっている。秋の風が吹く頃にはそうなっているだろうか。

気になるCIrclotron3の音の印象について。
ひとことで言い表せば「透明」であろうか。かつてのアナログレコート時代にはMCカートリッジのDL-103を使っていたことがある。あの雰囲気を思い出した。特別な色づけをほとんど感じることなく、素材の味をそのまま出してくる。でもまるで研究対象として「からからに干からびて」標本にされたような音というのではなく、みずみずしさを保ったまま眼前に提示する。3wayのスピーカーであるのにも関わらず音がばらばらになることなく、まるでスピーカーの存在がなくなるかのような鳴り方。
初段にWE420Aを配置し、終段のパワー素子にGaNを用いたことがこのような音となっているのだろう。初段から終段へはカレントミラーで折り返す方法をとったことが音に対してどのような影響を及ぼすのか一番心配していたが、この音を聴く限り成功だったと言えるかもしれない。
この手法は、Dynaco MK3(改)や300Bシングルアンプにもそのまま応用できる。

さてアンプ内部の配線のことだが、これまで実験に実験を重ねたせいでお世辞にもきれいな状態ではなかった。おそらくこれ以上大きな手直しは入らないので、最後の仕上げとしてレーシングをしてみた。繊細な人ならば定規を当てて糸の間隔をそろえて、美しさを楽しもうとするのだろうが、私の場合はご覧の通りのずぼらな処理である。