Circlotron3 試験走行中2019年06月19日 21時50分25秒

左チャンネルのアイドリング電流は約800mA、右チャンネルのそれは約400mAで調整用の半固定抵抗を回しきった。このときの定電圧電源の電圧は262Vであった。これを280Vあたりまで上げれば、左右チャンネルともに目標の1Aに設定できるだろう。これは今後の課題とする。

Circlotron1,2ともに電源オン時の終段GaN素子に流れるラッシュカレントが激しく、保護回路が頻繁に動作した。ところがCirclotron3は、電源オン時に保護回路が働いたことがない。アイドリング電流を監視していても非常におとなしい振る舞いをする。実は、ラッシュカレント対策としてある工夫をしたのだが、それが功を奏しているらしい。このことはまた別の欄で述べることになるだろう。

出力電圧のドリフトも安定していて、電源オン時に±100mV動くがその後数分すると20mVあたりでピタリと止まる。初段が真空管で、これだけ安定していれば御の字である。

しばらくダミー抵抗で様子を見て異常動作しないことを確認して、もむろにYAMAHA NS-10 PROにつなぎ替える。電源オン時「ポコ」と音がする。オフ時は音はしない。

ここでもう一つ課題が見つかった。ハム音が聞こえる。原因はわかっている。電源トランスのヒーター用巻き線は、保護回路の電源としても使っている。保護回路はメイン回路と絶縁している必要があるため、ヒーター巻き線はアースに落としていない。このままでは盛大にノイズが出る。そこでDynaco MK3にならって巻き線の片側だけ22nFコンデンサを介して接地している。おそらくこれではまだ不十分なためだろうと推測。これも今後の課題とする。

まずは稼働状態にあるCirclotron3の雄姿を拝見。
次にアンプの内部。まだ布線を整理していないので、少し煩わしく見えるところはご勘弁。
Circlotron3の目玉である、初段のWE420Aと終段のGaN素子(GS66502B)のツーショット。
さて、音はどうか。
まだエージング不足なので荒さがある。それでも、Amazing Circlotronで気になってしょうがなかった抑圧感というか暗さがないのがはっきりわかる。晴れ渡った空のようにすーっと伸びていて気持ちがよい。躍動感もたっぷりありそうだ。ピークがあって実力を出していないのに、大物になる予感がある。

いまのところいくつか課題が残っているが、動作に不安を感じない。完成は間近と言っていいかなも。気がつくと足かけ一年がかりのプロジェクトになってしまった。