Circlotron2 その3 悶絶編2019年01月24日 16時44分06秒

終段部の電源を組み上げ、GaN素子と基板も接続し、いよいよ通電というところまでこぎ着けた。いつものように緊張の一瞬である。

何事もなかったかのように正常動作。。。とはいかなかった。ここから胸突き八丁が始まった。

まず頭を抱えたのが、出力電圧が+15Vもしくは-15V付近に張り付いてしまい、いくらアイドリング電流調整用の半固定抵抗を動かしてもうまく0Vにもっていけない現象。
回路図を眺めながら不具合点がないか考える。確かに問題点はあった。こうすればもっとよくなるということも見つかった。しかしそれでも出力電圧が張り付いてしまう現象は変わらない。
結局一晩考えて、出力にダミー抵抗をつければよいことがわかった。これで問題解決。
ただし、バイアス回路については、改善の余地があることがわかったので今後の課題とすることに。

次の問題は、スイッチのON/OFFとともに激しく出力電圧が動揺して、このままではスピーカーに過大な負担がかかりそうなこと。ON/OFF以外では電圧は極めて安定しているのでそこは問題ない。前回のCirclotronでは問題にならなかったので、きっとこの回路特有の現象に違いない。これもバイアス回路と関係しそう。
要対策ということでこれも課題となる。

さて次の問題。ああでもないこうでもないとスイッチのON/OFFを繰り返しているときに、「バチッ」と音がして紫色の煙が上がった。終段のGaNが昇天orz
特に過大な電流を流したわけでもないので、普通なら壊れるはずはない。実は以前から不安に思っていたのだが、今回終段に使ったGaNは、前回のCirclotronで電源の整流に使っていたモノである。あのとき、チョークインプットが原因で5個ほど破壊してしまった。その生き残りである。おそらく半分壊れかけていたのだろう。
「不安は必ず現実となる。」どこかの○○法則のなかにあったなあ。
幸い手持ちの新品GaN(GS61004B)が6個あったので、アルミ基板に載せ、Vgsを測定してペア取りして正常品と交換した。

そして次なる問題というか事故が発生。
前述のバイアス回路の改善を検討するために手を加えてスイッチを入れたとき、どこからか煙が上がった。そのうち「パチパチ」という異音がかすかに聞こえてくる。何かなと思っているうちに再び「バチッ」と音がした。あわててスイッチを切る。探してみると、理想電源ブリッジ基板のGaNが壊れていた(泣)

それが掲載の写真で、黄色の丸で示したGaNが壊れている。見ておわかりの通り、この基板はジャンパー線が這わせてある。GaNを半田付けした際に一個だけ半田付けに失敗し、それでむりやり交換しようとしてパターンを剥がしてしまった。それでもなんとか修復し、動作試験もして正常であることを確認していたのだが、どこかに不具合が隠れていたのかもしれない。

それともう一つの可能性は、電源ON時のピーク電流である。GaNの最大定格を超えていたのだろうか。もしそうなら、早晩、ほかの基板も壊れるだろう。そうなったら安心して音楽を聴くどころではない。どう対策するか。
いつか使うことになるかもしれないと、ずっと部品箱にしまい込んでいた過電流保護用のサーミスタを電源トランスの入力に挿入することにした。
さて、ここで頓挫していたら前に進まない。手元には某様からいただいた理想ブリッジダイオード基板がまだ数枚残っている。気を取り直して、すぐに新しいGaNをMouserに発注した。昨日の深夜の発注だったのにもかかわらず、明日には到着予定とか。すばらしい時代だ。

と、いろいろ書いたが、ひとつひとつ諦めずに地道に一歩ずつ課題を克服していくだけ。その先に必ず道が開けると信じる。

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