13D2ラインアンプにGaNを投入する2018年03月23日 22時31分13秒

雪解けとともに足がむずむずしてきて、ここ数週間、自転車に心が奪われていた。いっぽうGaNの応用についても頭から離れずにいた。本格的に走るためにはもう少し気温が高くなってほしい。そこでこの間隙を縫って、13D2ラインアンプの整流素子をGaNに入れ替える作業を行った。

まずは入れ替え前の状態から。Infineonの第5世代ダイオードが使われている。
次に今回入れ替える、GS66502Bの様子。アルミ基板に載っている。消費電力から言えばここまでする必要がないのだが、ちょうど手元にあるというだけの理由でこうなった。
入れ替えた後の様子。実を言うと、GaNをどう入れ込むか、少し悩んだ。本格的に取り付けネジ穴を開けてとなると大掛かりになってしまう。ちょうど使わなくなっていた9pinソケットがあったので、その足に予備パッドをはんだ付けして固定した。
全体の回路を掲載しておく。時間が経つと自分でも何をしたのか忘れてしまうことがしばしばあるので、こんな場合ブログは備忘録として重宝する。なお、ヒーター用定電流回路はここには載っていない。
おまけで全体の容姿を。


入れ替え作業を行ったのは3月22日夜。ハンダ付け直後は評価できないので24時間待ってからじっくりと聴いてみた。
結論から言えば、水晶発振器用電源にGaNを投入したときとまったく同じ変化があった。空間が非常に透明になり中低音を中心に力がみなぎるというのか、とにかくこんな音が録音されていたのかと新しい発見が続く。
弦の美しさ、管楽器の炸裂するようなエネルギー、人がそこに立っている雰囲気。どれも格段に進歩する。

この変化は、CDだけではなくYouTubeのような低解像度の音源でも確認できる。

ちなみにパワーアンプはKT88pp(三結、無帰還)を使っている。これまで、低い周波数での分解能がいまひとつで不満があった。しかし、GaN素子に入れ替えてからは気にならない。もっともこれからエージングが進んでいくとどうなるかは不明である。
ついでに言えば、KT88アンプにも固定バイアス電圧用にInfineonダイオードが使われている。ここもGaNに入れ替えたら大きな変化があるのではないかと思っている。

良いことばかり書いたが、もちろんこれで理想状態になったのではない。高い周波数域に硬さを感じるのは、おそらくDAC周辺の電源がいまだGaNになっていないためと推測している。今後の課題となる。

コメント

_ Bunpei ― 2018年03月24日 15時54分20秒

おめでとうございます!
真空管アンプの電源でも音質の向上があったとのことで、本当によかったです!自分のことのようにうれしいです。

_ Analog親爺 ― 2018年03月26日 10時10分14秒

おはようございます。
また余計ことですが、回路図C2&C3の代わりに、アムトランスのAMCB
47μF630V(フィルム)を使ってみると面白いと思います。
C1に使うのが一番効果的ですが、少し容量が多くなるかもしれませんので、・・・。お手すきの時にでも、お試しあれ!(余計ことで済みません)

_ Kon ― 2018年03月28日 20時33分19秒

Bunpei様
自分のことのように喜んでくれる方がおられるとは、心強い限りです。
GaNについてはまだまだ緒についたばかりで、これからどんな展開になっていくのか、期待と不安が交錯しています。

_ Kon ― 2018年03月28日 20時39分25秒

Analog親爺様
AMCBは以前にせっかくいただいていおりながら、棚に飾って毎日拝んでいるばかりでした。これだけ躯体が大きくなると、どうやって搭載するか頭を悩ますところですが、なんとか試してみたいと思います。
アドバイスありがとうございます。

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