Dynaco MK3の改造(22)意外な落とし穴2017年11月15日 20時09分46秒

ところで改造作業の最終段階に入った時、思わぬ落とし穴にハマってしまったので、記録として残しておく。

現象はこうである。それまで左右チャンネルともに正常に動作していた。SG-Kコンデンサを付け加える作業にはいる数日前に、左チャンネルの音量が突然に小さくなった。電源を入れ直すと正常に戻ったりする。初段真空管のせいかと思い、交換したら何事もなかったかのように動いた。これで問題は解決したものと思った。

その後、右チャンネルのシャーシをひっくりかえし、SG-K帰還コンデンサを実装し、波形観測して問題ないことを確認した。
次に左チャンネルについて同じ作業をおこない、波形観測しようとした。ここで問題発生。奇妙な波形が出てくるではないか。それに出力が異常に小さい。

まず最初に疑ったのは、配線間違いである。しかし右チャンネルとくらべて確認してもミスがみつからない。次に疑ったのは真空管。正常動作している右チャンネルの真空管と入れ替えてみた。しかし現象は変わらず。こうなると部品が怪しくなる。もしも出力トランスが壊れているのなら致命的である。そう考える頭がくらくらしてきた。

ここで気を落ち着かせる。そうだまずは電圧を測定してみよう。何かわかるかもしれない。答えはすぐに出た。初段の電圧がまったくおかしい。カスコード増幅段のトップがわにある6DJ8のプレート電圧が異常に低い。160V程度あるべきところが120Vしかない。同じ真空管のグリッド電圧もほぼ120Vになっている。ますますおかしい。ここは部品が壊れない限り絶対に81V近辺になるはずのところ。つまり部品が壊れているのだ。どこか。回路図で言えばR16 20KΩ抵抗が犯人であった。テスターで測定したら無限大を指す。

驚いた。ジャンク品とか酷使した中古品を使ったのではない。新品の2Wカーボン抵抗である。消費電力はどんなに多く見積もっても500mWである。外観を見る限り、焼けたところやクラックもない。表面が光り輝いている。
これまでいろいろな抵抗を使ってきたが、こんなことは初めてである。あえて不良品とは言わない。こちらの使用方法に瑕疵があった可能性は否定できないから。ただ故障したことは事実であるので、このように記録として残しておく。

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