Dynaco MK3の改造(7)2017年09月04日 21時04分57秒

いろいろ試行錯誤した結果、掲載の回路に落ち着いた。
昨夜に完成したが、出てきた音が非常に素晴らしい。現在常用機となっているサークロトロン・アンプの上を行くだろうと予感がする。

使用している真空管は以下の通り。

Genalex KT88 Gold Lion (Reissue made in Russia)
Siemens E88CC Gold pin
松下 GZ-34

オークションで手に入れたときは中華製の真空管が刺さっていた。 音はそれなりで、ぱっとせず、Dynaco MK3はこんなものかと興ざめしたものだ

真空管パワーアンプは初めての経験で、改造を始めるときは不安もあったが、やってよかった。とまどうようなトラブルに遭遇し、苦労もあったが過ぎてみれば良い勉強になった。

バイアス回路にリップルフィルターが入っているが、これはおそらく不要なはず。
特徴は、電源回路に20Hのチョークトランスを入れたこと。Dynacoについていたオリジナルのチョークトランスは1.5H。当初、ハム音が盛大に聞こえてきて、この原因を探るのに手を焼いた。最初に電源トランスと出力トランスの電磁誘導を疑ったが、はやばやとシロと判明。
次に疑ったのがバイアス回路。それでリップルフィルターが追加となった。しかしこれもシロ。

プッシュプル回路だから、B電源にリップルが少々あっても大丈夫だろうと思いこんでいた。しかしラジオ技術誌をひっくり返してみると、新忠篤氏の記事に同様のトラブルのことが記載されていた。原因はB電源のリップルである。

対策をどうするか。チョークトランスが手元にある。最大電流が100mAでインダクタンスは20H。タンゴのNo-10483という型番。アナログ親爺様から以前にいただいていたもので、やっと日の目を見させることができた。
問題は実装方法で、シャーシにはどこにもスペースがなく、外付けしたため、まるで犬のしっぽのような姿になった。 やってみるとピタリとハム音がなくなった。
対策前のB電源のリップルは、デジタルオシロで計測すると200mVrms。対策後のリップルは24.7mVrms。絶大な効果である。

最後に残った課題は、電源トランスのうなりである。けっこううるさくて耳につく。根本的な解決は、電源部を独立させてトランスを防振するしかないと考えている。

コメント

_ Analog親爺 ― 2017年09月05日 09時51分26秒

おはようございます。
KT88のPP、馴染んでくるともっと艶っぽくなることでしょう。
チョークお役に立って何よりです。小生も、チョークトランスは音が好きで、出来るだけ使っています。
球のアンプ(小生にはこれしか弄れないが)は、半導体とはまた違った味があり、好みの球を見つける楽しみも格別で、相変わらず遊んでいます。
KT88アンプ、更なる熟成を期待しております。

_ Kon ― 2017年09月05日 21時48分38秒

Analog親父様にはいつもお世話になっております。
いただいたチョークトランスのおかげで、一段と高いレベルに飛躍することができました。この場をお借りして感謝申し上げます。

引き出しの中にはもうひとつCH-20-150Dが眠っていて、これは300Bシングルで活躍させたいと予定しています。

大型真空パワーアンプは初めての経験でしたが、いくつかのトラブルと格闘しながらいろいろなことを学ぶことができました。
Analog親爺さまのブログを拝見しながら、なんとか近づきたいと思うのですが、ますます差が開く感じがしていけません。

今回のアンプが我が家の標準原器となったので、次はサークロントロン・アンプの弱点を克服していきたいもだと見果てぬ夢を見ております。

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