Dynaco MK3の改造(1)2017年07月29日 19時59分38秒

Dynaco Mk3について、かつて森川忠勇先生は次のように語っていた。
「このアンプの特長は回路がPK分割による、いわゆるアルテック型と称されるもので比較的に簡単な構成であり、それに加えて出力トランスが非常に優秀な特性を持っていいたので(現在でも第一級のOPTとして通用する)、電気的な特性は安定であって優れたものであったことです。」(MJ無線と実験1985年5月号)
OPTが優秀なことについては、かの伊藤喜多男先生もどこかで触れていたと記憶している。

Mk3は海外製品にもかかわらず我が国の市場にも豊富に出回ったらしく、いまでもオークションにしばしば出品され、トランスの価値を考えたらかなり安いと思われる相場で取引されている。ということで本年3月に我が家へやってきたのだが、そのまま数ヶ月放置していた。

モノラル2台を比べてみると、KT88のブランドが異なっていた。一方はGEでもう一方は中華製。裏側をのぞくと、一方は比較的丁寧なワイヤリングだだ、もう一方はいかにも素人がはんだ付けしたとわかる粗雑さが目立つ。それでもきちんと音は出た。ただし、GE製の球が熱暴走するのか、突然プレートが赤熱するというトラブルに遭遇。

定石通りに、電解コンを新しくし、固定バイアス調整を出力管ごとに個別に行えるように変更し、カップリングコンデンサのリークも疑ったので、ASCに交換した。それでも熱暴走がおきたので、多分球が寿命なのかもしれない。

我が家のオーディオ装置はすべてバランス伝送に統一してある。Mk3は当然のことながらアンバランス入力なので、変換コネクタが必要になる。なんのことはない、コールド側をグランドに落とす。

出てきた音はそれなりだった。使っている部品のせいだろうか、少し荒っぽくて、細かな音が聞こえてこない。もう少し品位と静けさがほしい。なにより電源トランスが盛大にうなるのには閉口した。うるさくて音楽に没頭できない。結局、積極的な魅力を感じることができなかったため、お蔵入りとなってしまった。

しかし、これでおしまいにするわけにはいかない。先輩たちが一目置いたOPTに活躍の場を与えるべきではないか、と変な義務感をいだき、Mk3を改造することにした。詳細はまた別途。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://john.asablo.jp/blog/2017/07/29/8629923/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。