岩手に帰省す2016年09月22日 14時55分21秒

母の三回忌法要があるというので17日の早朝の便で花巻に向かった。空港には、青森で勤務している息子が車で迎えに来ていてくれた。

そこから実家近くにあるお寺に向かう。法要が終わると、北上駅前にあるホテルで親族がそろって会食。隣には同い年になる従姉妹が座り、2年前に亡くなったおじさんの話で盛り上がる。

その後、今は誰も住んでいなくて、千葉にいる兄がときどき帰ってきて手入れをしている実家に戻り、親しい者たちとお茶を飲む。義兄がこの実家の裏にある小屋で蜜蜂を飼っていて、その話を聞く。義兄に言わせると、世話をすればするほど蜜蜂が可愛いのだそうだ。

夕方、皆さんとおわかれして、息子と妻と三人で花巻温泉に向かった。数日前に予約を入れたのだが、連休中ということもあってどこも満室。やっと一つだけ空いていた。二人部屋にエキストラベッドを入れてもらい三人で宿泊。

親子水入らずでゆっくりとホテルに宿泊するのは、考えてみるとこれがわれら家族にとって初めてであった。

息子と温泉に入った。子供の時、しばしば花巻温泉に来たことがあった。温泉の匂いを嗅ぐと、その時の記憶がよみがえってきた。話は自然に自分の子供時代のことになる。父親が何を考えて生きてきたか、少しは伝えられただろうか。

当時はJR(旧国鉄)花巻駅から温泉まで私鉄電車が走っていた。その電車に乗って温泉に行った記憶がある。ネットには電車のマニアが撮影した写真が掲載されていて、それを見るとなつかしく思い出される。

翌日、某所に出かける。そこで思いがけなく高校時代の同級生に出会った。お互い若いときの顔の面影はなくなっていて、最初は「あなたは誰」状態だったのが、話を聞いているうちに「お前は!」となっていく。実に面白かった。おかげで心のなかに四十年間かかえてきた、その同級生に関する疑問が解け、まるでミッシングリングがつながった思いがした。

この後空港に向かう。
昨年の1月、母の葬儀のときやはりここから札幌に向かおうとしたのだが、あのときは吹雪で欠航となり、その後艱難辛苦を辿ってやっと札幌に戻ったものである。今回は無事に飛んでくれた。

その帰りの飛行機の中でのこと。
千歳空港に着き、さあ降りようとして準備していたら、突然声をかけられた。「もしかして◯◯さんではないですか。私はMと言うものです。」振り返ってその顔を見て驚いた。Mさんは私が25年前に勤めていた会社の上司であもあり、大学の寮の先輩でもあった。Mさんも岩手県出身でたまたま実家に行って戻るところだという。
こちらは25年前に会社を辞めるとき大変迷惑をかけたことをお詫びした。Mさんは「いやいや、もういいじゃないですか」と言って笑ってくれた。

花巻空港から帰る便には、思いがけない方が乗ることがあった。
やはり20年以上も前のこと、息子がまだ幼稚園生の頃である。女優のNさんが乗っていたことがあった。Nさんのご主人が盛岡出身で、当時札幌の支店に勤めておられた。先出のMさんとも仕事関係でおつきあいがあって、私はMさんを通じて少しだけ消息に接していた。

預けた荷物を待っているときに、Nさんを間近で見ることができた。映画で拝見したとおりに美人であった。が、妻も負けてはいないぞ、とそのときは思ったものである。

Nさんのお父様はやはり有名な俳優で、小津の作品にもよく登場する。

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