Taylor Follower型レギュレータ(5)2016年05月02日 17時47分33秒

 水晶発振器に使っているレギュレータの回路図を掲載する。

 これまで大きく変わっているのは、制御トラにDN2540を使った事。これにより起動回路が省略でき、基準電圧も簡略化できた。

回路図横にあるグラフは、出力のゲイン(出力インピーダンス)と位相特性を表す。この回路の際立った特徴は、20KHzにおける位相回転が5°以下と非常に小さい事にある。100KHzにおいても22°未満で、これも驚異的に小さい。

もちろんゲインをもっと高くすることもできるが、位相も大きく回転する。音の事を考えると、ゲインよりも、位相の変化を小さく抑えることにこだわりたい。

これまでいろいろな試行錯誤してきたが、このゲインでここまで位相回転を小さくする事は至難の技だった。ただ私のやる事だから、こんなレベルはもうとっくに誰かが超えているのかもしれない。

コメント

_ NF ― 2016年05月03日 07時19分56秒

こんにちは、
レギュレータの位相特性は100MHzまで測定できているようですが、何で測定されているんでしょうか?よく出力インピーダンスを測定しているのは見かけるのですが、位相特性はなかなか見かけません。宜しければご教授いただけると有難いです。

_ Kon ― 2016年05月06日 20時11分05秒

NFさん、はじめまして。
拙ブログに関心を持っていただき、ありがとうございます。

さて、お尋ねの件ですが。
掲載しておりますグラフは実際に観測したものではなく、あくまでもシミュレーションで得られた計算結果です。

100MHzまで計算することに何が意味があるのかと御不審に思われるかもしれません。高周波領域になれば、ストレーキャパシティなども影響を無視できなくなり、決して計算通りにならないのでは、とのご指摘はもっともです。
確かにその通りなのですが、これまで100MHz付近で発振する場合もあったため、念のために高周波領域でのゲインと位相だけは確認しておく必要を感じてこうしております。

いずれにしても示しているものはあくまでもシミュレーションです。実際にこの通りであるのかは確認したわけではありません。誤差があることはご了解していただければと思います。

それでも経験上、シミュレーション結果と音の傾向には相関関係があるらしいとの心証を得ておりますので、シミュレーションにもそれなりの意義があると思っております。

_ NF ― 2016年05月07日 16時57分24秒

Konさん、詳しいご説明有難うございます。

>それでも経験上、シミュレーション結果と音の傾向には相関関係があるらしいとの心証を得ておりますので、

なるほど、大変興味あります。過去の記事も読んでみます。
有難うございました。

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