USB to I2S board with CM6631 その後2012年12月01日 14時32分17秒

 今週やっと香港から到着した。写真がそれ。デフォルトのままでとりあえずつないでみると、ちゃんと音が出た(笑)

 しかし音が悪い。一番の原因はバスパワーののせいだろうと考え、3.3Vを外部供給することにした。レギュレータはもちろんSalas。基板上のレギュレータははずす。

 これでだいぶ音は良くなった。しかし、満足できない。CDPを使っていたときに比べ、ランクが10段階くらい落ちる。聞いていて楽しくない。これは致命的だ。値段が安いので、USB DDCの勉強代だと割り切ることにした。それでもなんとかしたい。

 HiFiDUINOさんがAmanero DDCに手を入れている記事を拝見した。I2S信号のBCKをマスタークロックで打ち直すことで改善が見られると報告している。ただし、クロックには遅延が伴うため、タイミングを考慮する必要があるとも書いてある。

 だめもとで手もとにある74AC74を使って,即席のリクロック回路を造り上げた。つないでみると、案の定タイミングが合わないため、出力クロックが盛大に揺れる。これではジッター加算機だ。ES9081Dのロックが外れて音楽を聴くどころではない。

 こんなとき、1GHzのオシロスコープが大活躍する。買っておいて良かった。

 74AC04を追加してタイミングを適当に合わせたらやっと安定方向に向かったが、それでも数分に一回ロックが外れる。

 出て来る音はリクロック前に比べ、やや改善したように思うが決定的とは感じられない。基板に搭載されているもともとの発振器のジッターが多いことと、74ACXXでは約50MHzの周波数を扱うには遅すぎて、ジッターを付加してしまうためと推測している。

 ここはやっぱりHiFiDUINOさんがやっているように、POTATOを使うのがベストのようだ。というこでeBayにポチ。

CM6631からWaveIOへ2012年12月03日 18時05分58秒

 CM6631にいろいろ手を加えてみたが、どうやっても期待した音にはならない。もしかしてUSBアイソレータを入れるともう少しましになる可能性があるだろうが、もう我慢ができなくなってメインシステムからはずしてしまった。

 ということで、WaveIOに入れ替えた。デジタルアイソレータとジッターに配慮した発振器を装備していて、Amaneroに次いで人気が高いように思う。

 で、入れ替えてみた。やっぱり落ち着いて聞ける。CDPで聞くのとほぼ同じ。ただし、まだ到達していない部分もある。こうしてみると、CDP(低ジッター発振器、リクロック)は結構高いレベルにあったようだ。

 今回いろいろやった感触では、PCから流れてくるノイズが耳に突き刺さるような音の原因の一つではないかと思っている。先達が警告しておられるように、USBアイソレータやデジタルアイソレータは必須だろう。

WaveIO+ES9018Dの成長過程2012年12月17日 20時22分07秒

(1)USBアイソレーターの導入
 DDCをWaveIOに変えてからいろいろ手を加えていった。最初、Mac miniから直接USBケーブルで接続していたが、どうも音が騒がしくぎすぎすして落ち着いて聞いていられない。PCからのノイズが影響していることは明らかで、早速FujiwaraさんからUSBアイソレータキットを分けていただいて、インストールした。

 効果はてきめんだった。腰が据わって、だいぶCDPで出していたときの音に近づいてきた。

 ちまたではUSBアイソレータのことはあまり騒がれていないように思うのだが、USBオーディオを構築するなら、これは必須のアイテムだと感じる。最近は、DACの各所にアイソレータが必要なのではないかとさえ思うようになってきた。

 WaveIOのI2S出力は2種類あって、ダイレクト出力とアイソレータ経由出力が装備されている。これまで全く疑問を感じないでアイソレータ出力を使ってきた。ノイズを遮断することを最優先するなら理想的な方法である。アイソレータは必須と言いながら、これと矛盾するように聞こえるかもしれないが、どうもこれはベストではないことがわかってきた。この続きは、次の欄で。

(2)Salas Reflektor電源
 WaveIOは大食いで最大500mAを消費する。シャントレギュレータにとって消費電流が大きくなると放熱設計が大変になる。当初、ケチって定電流値を400mAにしていた。それでも正常動作した。でもやはり余裕を持ったほうが音に良いのはわかりきっている。少し手を加えて大型のヒートシンクに交換。本来はCPU用のものらしい。新たな定電流値は600mA。これで音も余裕が出てきた。

WaveIO+ES9018DにReclock回路を投入する2012年12月17日 21時38分38秒

 前回のコラムでいろいろ書いたが、あれで満足できたのではない。実は、聞いていて楽しくないのだ。キンキン、ボンボンと高い音と低い音は出るのに、肝心の中音が聞こえない。非常に癖がある音で、すぐにスイッチを切りたくなる。

 原因をいろいろ考えた。そんなとき、次のような記事を見つけた。
http://www.fetaudio.com/archives/1440

 XMOSのJitterを測定した結果が載っていて、Bit Clockがなんと850pSecあると書かれている。もしほんとうならば、これは大変な問題だ。

 そんなとき、世の中には同じことを考える方がいて、HIFIDUINOさんが以下の記事を掲載している。
http://hifiduino.wordpress.com/2012/11/02/amanero-usb-synchronous-reclocking/

 マスタークロックを取り出すのに少々苦労されたようだが、とにかく結果は良かったらしい。こうなると、Reclockを試してみるしかない。flip flop素子はPOTATO社のもの。さっそくeBayから入手。

 回路が簡単なのですぐに動くと思ったが、そうは問屋がおろさなかった。WaveIOのダイレクト出力端子はuFLが使われている。理想的にはこれを使えば良いのだろうが、そろえるためには時間がかかる。フラットケーブルで取り出す。ところがここで半田ブリッジを起こしたらしく、Bit Clockが出ないトラブルに見舞われた。こんなとき、オシロが大活躍だ。不具合箇所をたちまちにして見つけ出す。

 これを修正したら、こんどはDATAがno signalに。。WaveIOが壊れたかと思って大汗をかいた。原因は、Mac mini側の設定がMUTEになっていたこと。なぜそのような設定になったのかは不明。とにかく安心した。

 出てきた音は。。大正解。CDPで出していたときの音を完全に超えた。ダイナミックでいながら、空間が隅々まで見渡せる。聴いていて楽しい。こうでなくてはいけない。

 最近、仕事上のトラブルが重なって鬱々とした日々が続いていた。久々に今日は祝杯をあげたい気分だ。

(補足)
 オシロでBit Clockの立ち上がり時間を測ってみた。
 WaveIOのダイレクト出力端子では、およそ2nS。
 POTATOでReclockしたQ出力端子ではおよそ1nSだった。

 さすが、高速flip flopである。

Reclock基板2012年12月17日 21時57分31秒

 こんな基板。
 写真には陰になって写っていないが、10pinのソケットを使ってWaveIOとES9018D基板をダイレクトにつなぐようにした。ただしこのソケットは、WaveIO基板側は固定するためにだけ用い、電気的には使用していない。

 高速flip flopは電源に大きなスパイクを発生すると聞いたので、FBを入れて対応した。